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ラグビーワールドカップ2015のラグビー日本代表には10人の外国人選手がメンバー表に名を連ねていた。「外国人多すぎだろ!」「なんかファンになれねーな。」など、ラグビーを知らない日本人からのバッシングにも「これかラグビーの文化だ!」と言い続けてきたが、そのラグビーの文化が変わろうとしているのだ。

競技規定の改定

2019年ワールドカップのプールドローが行われた5月10日、ワールドラグビーの理事会が行われ国代表となための資格について改定が行われた。これまでのルールは以下の3ルール。

①当該国で出生していること

②両親・祖父母の1人が当該国で出生していること

③3年以上継続して日本に移住していること

 

この3つの規定のうち、1つでもクリアしていれば日本代表になれた。つまり日本語国籍を取得していなくても、日本の学校を卒業していなくても、日本のラグビーチームに所属し3年間継続してアピールを続けていれば日本代表に入れるのだ。

 

ワールドカップ2015の南アフリカ戦で逆転トライをしたサニックスのカーン・ヘスケス(WTB)はこの規約に当たる。ちなみにサッカーには、このようなルールはない。日本国籍だから日本代表になれるのがサッカー規定。同じ球技でも、ラグビーの文化とは違うのだ。

 

↓カーン・ヘスケス

出典kiwibreeze.jp

 

そして5月10日の理事会では、③のルールについて改定があった。それは、今までは3年だった規定が、5年に延長したのだ。ワールドラグビー副会長の言葉を借りると「日本人が日本のためにプレーする選手を誇りに思えるようにしたい」と発言している。まさしく、「外人多すぎだろ!」などと一部の日本人に愛されなかったラグビー日本代表が存在した事を分かっていたのだろう。

 

規定改定は2019年日本ワールドカップの2020年から適用されるとのことだから、一先ず安心したが日本ラグビーの未来予想図は大きく変わるだろう。これまで、3年頑張れば日本代表に呼ばれる!と頑張ってきた外国人選手達も「5年は長い」と感じてしまうかもしれない。5年もの年月の間で、スピードもフィジカルも衰えているかもしれない。怪我をしているかもしれない。もちろんその逆もあり得るのだが、プラス2年は大きい。

 

もし2023年ワールドカップの日本代表を見据えて有望な外国人選手を探しているのであれば、2018年には日本でプレーさせる必要がある。大学の助っ人外国人として、フィジーやトンガ人を留学させる大学が多いため、学生から日本でプレーする外国人は問題無い。しかし、レベルが未知数だ。このまま、社会人に入っても日本人離れしたフィジカルの強さを見せてくれるとは限らない。

 

一方で、トップリーグに入団する外国人は違う。スーパーラグビーやNZの州代表、リーグラグビーで活躍した選手を獲得する。オールブラックスで活躍した選手だって過去にはいる。そう、2019年ワールドカップで日本代表を率いるジョセフ・ジェミーHCもそうだ。同じくオールブラックスの英雄 バショップ(SH)とサニックスを強くしてき選手なのだ。

 

基本的にトップリーグから日本でプレーし継続して移住する選手の場合、日本代表に選ばれるのは3年後に選ばれるパターンがほとんどだ。5年経ってから「よし!あの選手を日本代表に呼ぼう!」という事はほとんど無い。2015年ワールドカップメンバーだと、トップリーグから日本でプレーした選手は下記の選手

①トンプソン・ルーク(LO)
2004年に三洋電機(現パナ)に加入し2007年に代表初キャップ

 

②クレイグ・ウイング(CTB)
2010年に神戸製鋼に加入し2013年に代表初キャップ

 

③カーン・ヘスケス(WTB)

2010年にサニックスに加入し2014年に代表初キャップ

 

④マイケル・ブロードハースト(FL)
2009年にリコーに加入し2012年に代表初キャップ

 

⑤アイブス・ジャスティン(FL)
2008年にパナソニックに加入し2011年に代表初キャップ

以上の5名だが5年経過して呼ばれた選手はいない。つまり、5年後に呼ぼうとした時は、スピード的にもフィジカル的にも体力的にも日本人の若い選手の方が良い!となってしまう可能性も十分にあり得る。

 

さあ、どうする日本ラグビー協会。1大会前のワールドカップをターゲットにしていては既に遅い。常に2大会先のワールドカップを見据えて動く必要がある。ワールドラグビー副会長は日本代表の選手に東京や長崎の大学でプレーしている選手が見たいと言う。5年間日本に住み日本の文化に触れ生きてく中で日本人の心を身につけていくのだ。将来的には、日本国籍+5年間移住という改定も視野に入れているようだ。

 

これが、本当に日本ラグビーの発展につながるのかは分からないが、この規約改定を先頭に立って進めてきたワールドラグビーの副会長は、2007年のワールドカップフランス大会でアルゼンチンを3位に導いた、アグスティン・ピチョット氏(SH)なのだ。

アグスティン・ピチョット氏が目指すラグビー

ソース:https://rugbyjapan365.jp/

 

アルゼンチン代表のスクラム・ハーフとして71キャップを獲得した名選手でありながら、ワールドラグビー協会でも42歳の若さで副会長を務めている。イギリスのラグビー誌では、世界のラグビー界でもっとも影響力のある人物に選ばれている。このピチョット氏は自らを”愛国的な人間”とし「代表ジャージをその国じゃない人が来ているのを見たくない」と言うような人である。

 

ん。。どうだろう。日本代表に文句を言っているようにしか聞こえない。実際にアルゼンチン代表は自国民だけで形成されている。けれども、ビチョット氏の考えも理解できる。それは、本来であれば、さらに上の順位に行く力がある国が上に上がれずに苦しんでいるのだ。

 

もしかしたら、日本代表の責任なのかもしれない。フィジーやトンガやサモアの有力選手は、日本から声が掛かる。しかも、ハイペイドな国の日本は人気があり断る選手は恐らくいないだろう。

「日本に行きたい人?」

「はいっ!はいっはいっ!はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」と全員が手を挙げるのではないだろうか。これらの国の海外流出を少しでも抑えるために、今回の規定改定もいつかは必要だったのだろう。

 

すでにフランス代表は代表チームの選手に国籍の保有を義務付けている。トランプ大統領となったアメリカもそうなる可能性は高い。国民が国を5年間愛し、国を代表して戦う事に誇りを持つ。そして、その誇りを持って戦う戦士達を国民が応援するのだ。

 

今後世界のラグビー界を左右していくであろう、ピチョット氏。彼が目指すラグビーは常にステップアップしている。日本代表のラグビーのように!

 

↓アグスティン・ピチョットハイライト

 

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