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このページでは、今後「ジャッカルが見られなくなる??」かもしれないラグビーの試合について、その理由を解説していく。

ペナルティキックばかりじゃつまらない。。

ディフェンスが組織化された現代ラグビーにおいて、やはりファンが試合を見ていてつまらないのは、トライラインまでボールを運ぶ選択をせず、ペナルティーキックのみで点数が加算される試合運びではないだろうか。

相手が反則を犯した際、トライを取れないリスクよりも、確実に点数を増やすペナルティーを選ぶ。これが現代ラグビーのセオリーでもある。

 

例え、ペナルティーキックが入っても入らなくても、次のプレーは相手チームのキックから始まるため、キックされたボールをキャッチすれば、再度攻撃をリスタート出来る。

 

そして、また相手が反則を犯すとペナルティーキックを選択できる。

 

特に、ワールドカップなどのレベルが高いチーム同士の大きな大会では多く見られる。唯一、ペナルティーキックを狙わずトライを取りに行ったのは2015年World Cupで南アフリカ代表と戦った日本代表だろう。

 

残り時間0分という場面で、同点のペナルティーキックを狙わずトライを狙いに行き逆転勝利を収めたのは日本ラグビーの歴史を塗り替えた試合だった。

見ていて面白い試合とはあのようなゲーム運びを言うのだろう。毎回、あんな試合が見れるのであればファンは大喜びだ。

 

しかし、そんな試合は稀にしか見る事が出来ない。ディフェンスが組織化されタイトな試合運びしか出来ない現代ラグビーでは、皆飛び道具(キック)で点数を増やすのが大好きなのだ。

 

しかし、その試合運びにも転機が訪れようとしている。

ラック ルール改正

ワールドラグビー試験的ルールの実施について(通達)をご存じだろうか?

 

この試験的ルールの実施は、競技のプレー、および、レフリングをするにあたりよりシンプルにすること、また、プレーヤーウェルフェアをさらに推進することを目的としている。

 

つまり、選手たちがもっともっと試合を楽しめるラグビーのルールにしていきましょう。という事だ。ルールの適用時期は、北半球:2017年8月1日、南半球:2018年1月1日と異なる。

 

このルール改正により、今まで以上にアタックが有利に試合を運べる事になる。どのようなルール改正が行われたのか紹介する。

 

  1. 競技規則の修正 4(c)タックラーは、ボールをプレーする前に、一度立ち上がらなければならず、また、タックルゲートの自陣側からプレーしなければならない。

もし、タックルをして勢いよく敵陣側に倒れ込んでしまっても、今まではそのまま立ってボールを拾う事が出来たが、自陣側からプレーしなければいけなくなる。このロスはディフェンスにとっては少し不利になる。

 

ディフェンスにとって、もっと不利になるのが次のルール改正だろう。

 

  1. 競技規則のブレイクダウン修正 16条「ラック」

ラックは、少なくとも一人のプレーヤーが、両足で地面にある(または、タックルされたプレーヤーの上、タックラーの上にある)ボールをまたがって立つことで開始される。この時点で、オフサイドラインが形成される。

 

両足で立ったプレーヤーは、すぐに行う限り、ボールを拾うことが許される。敵のプレーヤーが到着した瞬間、手の使用はできなくなる。

 

まず上段について説明する。これまでラックは、味方と敵の双方が組み合って形成されていた。その為、アタック側が1人でタックルされた味方の上を両足でまたいでいてもラックは形成されない。

 

つまりオフサイドラインは形成されていないため、ディフェンスはボールに働きかける事が出来たのだ。しかし、今後はアタック側の選手がボールをまたけばオフサイドラインが形成される事になる。

 

そして、もう1つ。ジャッカルに入ったプレイヤーはオーバーが来たらすぐに手を放す必要がある。サム・ウォーバトンやデーヴィッド・ポーコックが得意とするオーバーをされながらボールを奪うようなプレーが見られなくなる。

ディフェンスがジャッカルが出来ない=アタックは攻撃を重ねる事が出来る。

 

と、選手たちのウェルフェアというよりは、アタック有利なルール改正となっている。これによりアタッキングラグビーを加速させ、今まで以上に見ているファンを楽しませて欲しい。

 

しかし、ジャッカルに入る選手のチャンスはまさに一瞬しかない。サインプレーを予測し、次のタックルポイントを予測できるフランカーがいなければジャッカルは成功しないだろう。

 

逆に言うと、ルール改正後もジャッカルを出来る選手はこれまで以上に貴重価値の高い選手として重宝される。

 

もしくは、ジャッカルというスキル自体が必要なくなるかもしれない。

ジャッカル不要のディフェンス組織

どういうことかというと、今度、ディフェンスにおいては、下にタックルに入り相手を倒すプレーは少なくなってくるかもしれない。

 

タックルで相手を倒してもボールを獲得出来るチャンスが少ないのであれば、立ったまボールを奪う。もしくは、立ったまま相手をドライブして押し返す方がディフェンスにとって有利に進める事が出来る。

 

それを実行するには、常にディフェンスの人数をイーブン、または優位に立つ必要あるため相当なフィットネスが要求されるが、基礎の部分であり、システムとしてはラグビー新時代のディフェンスの在り方かもしれない。

 

理想は、1人目のタックラーがボールキャリアのボール目掛けタックル、そして2人目が足にタックルに入りいっきに相手陣地へ押し戻すディフェンスだ。

 

そして、相手を倒してもタックラーが倒れなければ、より有利な人数で試合を展開する事が出来る。

 

既にこのようなディフェンスを行っているチームの1つが、名将エディー・ジョーンズ率いるイングランドだ。2017年11月に行われたイングランド対オーストラリア戦をご覧になった人はピンとくるかもしれない。

 

ディフェンスの人数を優位に保ち、タックルはボールに入り、そしてタックラーは倒れない。そしてアタックよりも人数を優位に保つ。

 

常に人数を優位に保つディフェンスを継続させている。

 

この素晴らしい組織ディフェンスもあり、30-6でオーストラリアに勝利している。World Cup2019も非常に楽しみだ。

 

これからもルール改正が行われ続けるだろうが、更にアタック有利なルールへの変わった時、ディフェンスがどのうように組織化されアタックに対応していくのか、今後も各国のディフェンスをチェックしておきたい。

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