トップチャレンジリーグで昨季から上昇しているチーム。前進のトップイーストリーグではトップリーグ経験ある新しい選手が多く加入した事で戦力を上げた。今季、同リーグで上位に位置しているだけに実力は間違いなく高い。
そんな注目の日野自動車で活躍中の選手を紹介する。
目次
■NZセブンス代表
FB ギリース・カカ(ニュージーランド) 186cm 90kg
この人のステップ無しでは、日野自動車のポットアタックを活性化させる事は不可能だっただろう。どちらにステップを踏むのか分かっていても止められない。
1対3でもラインブレイクするセブンス仕込みのステップはトップチャレンジリーグでは抜群に効く。足腰がしっかりしており、フィジカルが強くタックルされても中々倒れない。
トップチャレンジリーグのボールキャリアランキングがあれば、間違いなく上位にくい込んでくるだろう。
ラグビーの素人が見ても、この人の凄さはすぐに分かる。試合会場に行けば「カカすげ~。」「何だよ!あのステップ!」なんて言葉が観客から聞こえてくる。
日野自動車のトップリーグ昇格に注力するために、セブンスからは離れて2年が経つ。2017年は勝負の年となる日野自動車のためにも、更なる活躍を期待する。
■クルセイダーズの大器
LO ジョエル・エバーソン(ニュージーランド) 204cm 118kg
サイズも魅力的だが、彼の武器は激しいフィジカルだろう。
アタックでは日野自動車フォワードの核となり、ディフェンスはトップレベルで一級品と言っても過言ではない程に強く確実に仕留める。
世界最強国のニュージーランド出身でサウスランド州代表として国内州代表リーグで活躍。そしてスーパーラグビーチームであるクルセイダーズのトレーニングスコッドにも入っていた逸材だ。しかしニュージーランド代表のロックがチームで活躍していただけに、彼に出番が回る事は無かった。
そんな鬱憤を晴らすように、来日後は日野自動車でその潜在能力を抜群に発揮している。
2mを超える選手が平均身長175cmほどの選手達にタックルするには工夫や苦労が必要だろう。しかし彼は相手が誰であろうとフィジカルバトルを繰り広げる。
トップリーグにこそ中々いない2m級の選手。昇格後に世界トップレベルの選手相手に大暴れする彼の姿を是非見てみたいところだ。
■貪欲なハンター
FL 村田 毅 185cm 103kg
体格を活かした激しいプレーで攻守にわたり存在感を放つ。
ラインアウトではサインを決めボールを確保する工夫や、敵のジャンパー達を攻略するのは彼の仕事だ。決して派手な選手ではないが、フルタイムでブレイクダウンやセットプレーに貢献できる選手。
高校時代は無名の選手だったが慶応大学に進学し1年目から先発出場。ラインアウトでジャンパーとして頭角を現し、フォワードの中心選手として活躍した。
卒業後はNECに入団し日本代表にも選ばれたが、代表に定着する事はなかった。そしてNECでも精神的な節目を迎えようとしていた頃、日野自動車に入団する事を決意。
チームの快進撃を更に加速させている。
日野自動車に足りないものがあるとすれば、トップリーグレベルで戦う為の経験値と意識だろう。
勢いさえ乗れば勝利に近づく事は間違いないが、その勢いを作る為の適格な判断と戦術をより完璧に実行する力が必要なのだ。他の選手同様、村田選手への需要は間違いなく高い。
そして、鍛え上げられた身体から繰り出される強烈なヒットで相手選手をなぎ倒す。
そんなプレーを是非見たい。そう思えば村田選手が適任ではないだろうか。
■新生・日野自動車の司令塔
SO 染山 茂範 171cm 75kg
http://rugby-rp.com/news.asp?idx=111934&code_s=1002
彼のプレーをトップリーグで見たい。
そう思えるようなゲームメイカーである。
高校時代からキックに定評があり、明治大学では精度の高いキックや鋭いステップで難敵を好ゲームを披露してきた。
卒業後の進路先は中国電力。4年間在籍し主将も経験したが、トップレベルでやりたい思いが再燃し、日野自動車へ移籍。今季は先発の座を守り続けている。
決してフィジカルの強い選手ではないだろう。
だが知恵や経験、実行力があればチームに適応でき試合に出れる。染山選手はまさにそのようなスタイルで戦ってきた類の選手だろう。
日野自動車が昇格できるかどうかは、様々な勝利要素が必要となるが、司令塔となる彼が試合に出て存分に力を発揮できる事は必須条件と言って良いだろう。
ライバルでもあるクリップスから10番を勝ち取る事が出来れば、キック、判断ともに、日本トップレベルのスキルを身につけたといっても過言ではない。
■日野バックスのペネトレイター
CTB モセセ・トンガ 174cm 104kg
バネの効いたその走りはタックラーにとって厄介なマークになる。
国際レベルのセンターの中では大柄ではないが、低い重心にスピードあるラン、パスも上手く相手タックルの芯を外す技術が高い。
日野自動車入団前は日本航空石川高校、天理大学でプレー。
高校時代は全国大会で同県初の強豪・大阪勢撃破を果たした。チームを勝利に導く激しいプレーはまさに特攻隊長だった。
天理大学時代は母国トンガだけでなくフィジーからの強力な留学生もおり、先発メンバー定着は容易ではなかったが、地道にレベルを上げチームの中核へと成長した。
日野自動車に入団したトンガ選手はアウトサイドセンターで持ち前の突破力に加えて防御力も披露している。そのサイズから突破を得意と見る者が少なくないが、連携プレーに忠実で決して突進だけが売りではない。
センターの良し悪しがバックスの精神を左右するだけあって、ここまで連続出場しチームの信頼を得ているトンガ選手には是非注目してほしい。