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ラグビーのタックル 逆ヘッドタックルは必要か?

「トライとタックルはラグビーの華」と言われるように、トライは攻撃する側の最終目標であり、タックルは守備側の唯一の手段である。

 

そしてその基本のタックル(ボールごと抱きかかえるように上半身に入るスマザータックルを別として、相手の太ももあたりに入るタックル)とは、

 

「良い姿勢で、良い踏み込みで、良いバインド(締め付け)で、良いドライブ(捻り)で」をキーワードとして、相手の進行方向に頭が入らないように(側面や後方に)肩を当てることだが、逆ヘッドタックルとは相手の正面に頭が入ってしまう(遮るように)タックルのことである。

 

「頭を入れて相手を挟み込む形になるので、強いタックルが出来て相手の突進を効果的に止めやすくなる。」との主張のもと、逆ヘッドタックルを推奨する指導者が多いのも事実である。

 

かつて世界的に有名なフルバックの選手は、相手の正面から逆ヘッドで入る強烈なタックル(ヘッドオンタックル)を売り物にし、チームメートから「あいつには頭がいくつあっても足りないぜ。」と言わしめた。

 

また元日本代表選手は「逆ヘッドタックルこそ本来のタックル。」と言い切り、実際に大柄な外国人選手を逆ヘッドタックルで止めて、何度かピンチを救った。

 

もっと極端な例では、右肩でタックルに入ったら脱臼し、ついで左肩も脱臼して、最後に頭で入ったら脳震盪で退場したという、はなから入る肩の方向を無視したような選手もいた。(現在は指導者になっているが。)

 

また、相手の動きについていけずに逆ヘッドになってしまうこともあり、とっさに利き腕のように利き肩を優先してしまうこともある。

 

しかしながら、逆ヘッドタックルはボールキャリアーの突進力を、まともに頭や首に受けてしまい、大きな怪我(脳震盪、頚椎損傷等)につながりかれない。

 

2018年4月19日の朝日新聞デジタル版によれば、逆ヘッドでタックルに入った場合、推奨される正ヘッドタックルよりも負傷の頻度が25倍に上ったという研究チームの調査結果が出たという。

まずこのことを踏まえ、この調査結果を指導者、コーチ、選手に啓蒙させ、正しく安全なタックルのスキルを学ばなければならない。

 

海外のニュージーランド、オーストラリアなどの強豪国の協会では、タックルする選手の頭部を相手選手の横、もしくは後ろに位置するように推奨しているが、実際の現場ではまだまだ浸透していないのが現実である。

 

ただ「逆ヘッドタックルは危険だからしないように。」と言っても、あまりにも抽象過ぎて分かりづらいだろう。

 

ある強豪高校の指導者は「自分の身長分まで距離を詰めたらそこからショートステップ。」「自分の外側の肩を相手の内 側の肩に合わせる。」など具体的にボディーコントロールの基本を教え込む。

 

これも「逆ヘッドタックルでの怪我を防ぐことができれば、もっとラグビーが楽しくなる。」という考えのうえに基づいているからだ。そして「タックルは根性ではなくスキルです。」とも言い切る。

 

このように指導者が正ヘッドタックルに関してスキルを研究して指導できるようにすることが肝心になってきている。

 

しかし正ヘッドタックルが「正しいタックル」と表現され、逆ヘッドタックルが邪道のように捉えられるが、よくTV実況で「ナイスタックル!」とアナウンサーが叫んだ時のタックルは、逆ヘッドタックルの場合が多いという。

 

2015年ラグビーワールドカップの日本代表vsスコットランド代表戦で、スコットランド代表右ウイング、シーモアの突進をゴールライン寸前でタッチに弾き飛ばした五郎丸歩選手(ヤマハ発動機)のタックルは逆ヘッドだった。

 

もしもの話ではあるが、正ヘッドのタックルだったらゴールラインに届いていただろう。危険を承知の上で相手のスピードを殺しにいった五郎丸選手はカッコよすぎた!

 

 

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