このページでは、日本代表がラグビーワールドカップで決勝トーナメントに行くために「何が必要なのか?」ラグビーファンが感じている事を紹介したい。
2105年ワールドカップでの南アフリカ戦の勝利は、ラグビーファンの記憶に深く刻まれている。そして、その期待は日本ラグビー躍進の舞台となる2019年に向かってる。
日本代表のレベルが更にパワーアップし、ランキング上位のニュージーランド、オーストラリア、アイルランド、イングランド、南アフリカと互角に戦う試合をファンの前で見せてくれるに違いない。
ファンは信じている。いや、どちらかというと望んでいる。しかしながら、アジアラグビーチャンピオンシップ2017では勝ちはしたものの、レベルの低いアジア国相手に苦戦する試合展開。
また、6月24日に行われたアイルランド戦。アイルランドはニュージーランドへのライオンズ遠征で主力を欠いているにも関わらず13-35で敗れている。
「エディー・ジョーンズ氏がいなくなったからなの??」
ラグビーファンからは、こんな声も聞こえてきた。確かに理由の1つかもしれない。エディー・ジョーンズが日本代表を退任しヘッドコーチを務めているイングランドは2016年、2017年とヨーロッパチャンピオンに輝いている。
そして、11月4日に行われたオーストラリア戦に30-63で敗れた後、ファン達から聞えてきたのは、
「日本代表は弱くなったの??」
という悲しい質問だった。確かに点数を見ればダブルスコアと力の差は歴然だ。簡単にトライを奪われる日本代表を見てファンは、オーストラリアの強さに感心する一方で日本代表との力の差を感じ取ったのかもしれない。
「日本、よわっー!」
そんなことを言うファンまでいた。
しかし、どうだろう。。。ラグビーファンとして試合を見た当サイト管理人(いちラグビーファン)が感じた日本代表の試合は、”弱くない”だ。
むしろ、ブレイクダウン(密集)での攻防は互角、スクラムも互角、フォワードのボールキャリア能力は日本の方が上ではないかと思える試合だった。
フォワードの前に出るタックルも激しく、前半3分にノーバインドになってしまった堀江のタックルも気迫あふれるサムライ魂を見せてくれた。
ではなぜ日本代表は負けてしまったのだろうか?
それは、オーストラリア戦の1トライ目を奪われる試合開始5分以内に答えが出ているのではないだろうか。そしてこの時間帯の試合展開に、日本代表が強くなるための改善点も見えてくる。
①前半4分16秒自陣相手ボールラインアウト
オーストラリアにモールを作られるも、日本は低い姿勢で押し返し、ディフェンスラインを有利に保ったまま相手にボールを出させる事が出来た。
②前半4分29秒 オーストラリアの縦
しかしながら、バックスのタックルが甘くオーストラリアのセンター縦突破を一発で止められず、ゲインライン付近まで攻め込まれてしまう。
③前半4分36秒 オーストラリアの縦
バックスラインはややアンストラクチャー気味になりながらも、続くオーストラリアの攻撃をゲインラインで止める。
⇒アンストラクチャーの説明はこちら
④前半4分42秒 オーストラリアの縦
オーストラリアの攻撃は逆サイドへと変わり、再び縦。ディフェンスに入ったのが№8マフィー。しかし、当たりが高く少しくい込まれてしまう。
⑤前半4分48秒 オーストラリアの縦
再び、逆サイドに攻めるもそこにいたのは堀江翔太。ばっちり下に入りゲインラインを越えさせない。
⑥前半4分55秒 オーストラリア 外
ここでオーストラリアは外にボールを展開する。前に潰したいディフェンスも11番野口がタックルを外されてしまいゲインされる。
⑦前半5分 オーストラリア縦
続くオーストラリアのフォワードの縦は、姫野がしっかりと下に入り止める。
⑧前半5分6秒 オーストラリア縦
続くオーストラリアのフォワード縦の前には№8マフィー。しかし、またタックルが高くがっつりくい込まれてしまう。
⑨前半5分10秒 オーストラリア外
アンストラクチャーとなった日本代表バック陣のディフェンスは機能せず、簡単に外に回されトライを奪われてしまう。
↓日本代表対オーストラリアとの試合
ここで起きた5分間もそうだが、総じて試合を見て感じたのは、ワールドカップで日本が強豪国に勝つために必要な事は、
・バックスのフィジカルの強さとディフェンス力アップ
・№8マフィーのディフェンス能力のアップ
この2点ではないだろうか。1つ目のバックスのディフェンス力については、松島が7人いれば十分に戦えるディフェンス力がチームに備わっていると言えるだろう。しかし、今は違う。
相手に強い選手がいれば、一発でトライラインまで運ばれてしまうのだ。オーストラリア戦のように。
そして、2つ目はマフィーのディフェンス力アップだろう。ボールキャリアとしては、スーパーラグビーでもランキングトップ10入りを果たしており申し分ない能力を持っているが、ディフェンスが得意ではないようだ。
しかし、№8というポジションがら、タックルのプライオリティーも高い。高くタックルに入るのはいいが、一発で仕留めなければ下に入り止める必要がある。
№8というポジションだけあって、ラックからやや広い位置にポジショニングする事が多いマフィーは、バックスの縦突破をもろに受けるポジショニングも多い。相手の当たり受けるタックルではなく、布巻レベルのタックルを期待したい。
上記2点を更に良くする事が出来れば、日本代表のラグビーは更にパワーアップしたものになるだろう。そして、ラグビーファンが感動する試合を2019年に目のあたりにする事になる。