時計の針は87分 オーストラリア陣地 ゴール前5M 「All blacks! All blacks!」観客の大コールもトライには結び付かなかった。
2020年10月11日ニュージーランドのウェリントンで行われたプレディスローカップの第1戦は16-16。超白熱の一戦は引き分けに終わったが、久々の強豪国同士の対決に、ファンは大興奮。
チケットの売れゆきも好調で、イーデンパークで行われる第2戦はこの試合以上に注目を集める事間違い無しだ。
◆当日の試合メンバー
ニュージーランド | 背番号 | オーストラリア |
---|---|---|
ジョー・ムーディ | 1 | ジェイムススリッパー |
コーディーテイラー | 2 | フォラウ・ファインガア |
オファ・トゥウンガファシ | 3 | タニエラ・トゥポウ |
パトリック・トゥイプロトゥ | 4 | ルカンサラカイアロト |
サム・ホワイトロック | 5 | マットフィリップ |
シャノンフリゼル | 6 | ハリーウィルソン |
サム・ケイン(c) | 7 | マイケル・フーパー(c) |
アーディー・サヴェア | 8. | ピート・サム |
アーロン・スミス | 9. | ニックホワイト |
リッチー・モウンガ | 10. | ジェームズオコナー |
ジョージブリッジ | 11. | マリカ・コロベテ |
ジャック・グッドヒュー | 12. | マット・トゥームア |
リエコ・イオアネ | 13. | ハンターパイサミ |
ジョーディー・バレット | 14. | フィリポ・ダウグヌ |
ダミアン・マッケンジー | 15. | トムバンクス |
リザーブ | ||
デイン・コールズ | 16. | ジョーダン・ウエレセ |
カール・トゥイヌクアフェ | 17. | スコットシオ |
タイレル・ロマックス | 18. | アランアラアラトア |
Tupou Vaa'i | 19. | ロブ・シモンズ |
ホスキンズ・ソツツ | 20. | ロブ・ヴァレティーニ |
TJペレナラ | 21. | ジェイクゴードン |
アントン・ライナートブラウン | 22. | ノア・ロレシオ |
カレブクラーク | 23. | リース・ホッジ |
さすがオールブラックス!
ゲーム開始から、オーストラリアは3番のトゥポウにボールを集めディフェンスのゲートを開けようとしたが、ニュージーランドの前半のディフェンスは安定していた。
ゲームが動いたのは前半8分、22Mエリアのポイントからモウンガ10番⇒マッケンジー15番⇒サムケイン7番⇒シャノン・フリゼル6番⇒ジョーディーバレット14番と華麗にパスを回し、右隅にトライを決め最初の5点を獲得。
リーコ・イオアネのノックオン
オーストラリアの前半の攻撃は、30分のペナルティーキック1本のみ。チャンスで迎えた前半40分のラインアウトのスペシャルサインもフッカー2番のフォラウのハンドリングミスによりオールブラックスの逆襲を誘う事となってしまった。
ミスボールに反応したサム・ケイン7番が素早くボールを拾い、フォローに入ったジョーディー・バレット14番にパス、ジョーディーが10M走りモウンガ10番にボールを渡す。
モウンガ10番が22Mまでボールを運び、最後はリーコ・イオアネ13番のごっちゃんトライを呼び込んだ。上手い、速い、さすがオールブラックスと誰もが興奮したトライだった。。。が。。。
TMO....
スロー再生の結果、まさかのイオアネ13番の大ノックオンという事が分かりノートライ。前半を8-3で折り返す事となった。トライをしていれば13-3と余裕を持っての折り返しだっただけに痛いノックオンとなった。
また、ノーサイドの結果だけを見ても、このノックオンで除外された5点は相当痛いミスだったことになる。
やられたらやり返す!
しかし、そんなミスもつかの間、後半最初のオールブラックスのトライがこの試合の面白さを物語っていた。
後半3分、オールブラックスボールのラインアウト。オーストラリアが前半40分でミスをした同じサインプレーをやってきたのだ。
フッカーのコーディー・タイラー2番はが上手くディフェンスを引き付け、ブラインドサイドから走り込んできた、ジョージ・ブリッジ11番にパス。
更にブラインドからフォローに付いていた、アーロン・スミスへパスを繋ぎ、そのまま左隅にトライを決めた。13-3とリードを広げたオールブラックス。
このまま、差を広げるかのかというような雰囲気だったが、このままで終わるオーストラリアではなかった。
真似したいサインプレー
オールブラックス陣地22Mモールからのバックスサインプレー。12番センターのマットがスタンドの位置に入り13番のハンターへ1タテのダミー。
そして、その裏でボールを受けたのが、ブラインドの位置にポジショニングをしていた10番のジェームズ・オコナ―。オールブラックスのモールサイドのディフェンスは、オーストラリアの12番、13番に引き付けられ、10番のオコナ―はフリー。
いっきに敵陣に攻め入り、最後はウイング11番のマリカに繋ぎ左隅にトライを決めた。
その後も、少し雑になったオールブラックスのディフェンスラインに攻撃をしかけるオーストラリア。後半21分にはラックのこぼれ球からウイング14番のフィリポが右隅にトライを決めた。
更に後半32分、22M付近でオールブラックス痛恨のペナルティー。13-16とオーストラリアが逆転。
その後、オーストラリア陣地22M内。得意のラインアウトモールから相手のオフサイドを誘い、オールブラックも3点を返し16-16のイーブンとした。
最後の攻め合い
最後に観客を興奮させてくれたのが、オーストラリア リース・ホッジのペナルティーゴール。ポストから57M離れた場所から特大キックは、惜しくもゴールとはならなかったもののゴールポストに命中するスーパーキックとなった。
試合時間88分まで、楽しませてくれた両チーム。
何より、両チームは次週再びイーデンパークで対決し、更に熱い試合でラグビーファンを楽しませてくれる。
試合ハイライト
Thank you Australia! What a battle. pic.twitter.com/enNsPcgbPg
— All Blacks (@AllBlacks) October 11, 2020