現在、トップチャレンジリーグで上位を占める一角。2006年に神奈川県のチームでは初となるトップリーグ昇格を果たしたが、昇格後は下位争いを強いられる戦況が続き2011年に現リーグに降格。
しかし、トップリーグで活躍した他チームの選手が移籍をしチームは徐々に活性化している。本ページでは、トップリーグ昇格を目指すチームでキーパーソンとなる選手達を紹介する。
目次
■信頼を勝ち取った大黒柱
LO トーマス優デーリック・デニィ(フィジー) 193cm 115kg
大柄な体格で時に献身的に動き、時にフィジー人らしい鋭いアタックで切り込む。
母国フィジーではユース代表に選ばれた逸材は、日本の白鴎大学へ留学した。入学当時より即戦力で活躍し、卒業後は無名ながらヤマハ発動機に入団。1年目からNO8で出場し活躍し日本人に帰化もした。
その後トヨタ自動車で3年ほどプレーし、現チームに移籍したのが昨年。今季2年目にして主将となった。
フィジー語だけでなく日本語と英語も流暢。外国人が多くいるチームで貴重な存在である。チームに戦術を落とし込み選手の考えている事を最も理解できる一人であろう。
フィールド内外での彼の働きが、チーム力上昇の鍵になる。
■誰もが認めるハードワーカー
FL 土佐 誠 188cm 112kg
まるで暴れ馬のようにタックルを振りほどき前進する姿は迫力ある。
今季よりオーストラリアのクラブから移籍した好選手だが、歩んできたラグビー人生は順風満帆ばかりではなかった。
ラグビーを始めた広島県の尾道高校では最終学年時に創部3年目にして初出場という偉業を成し遂げた。
高校卒業後、当時の大学ラグビーでは1,2を争う強豪・関東学院大学に進学。1年時より出場した土佐選手だが、大学3年時に同部員から大麻所持による逮捕者が出てしまい、チームは公式戦出場辞退に。
そして土佐選手は次年度の主将に任命された。外部だけでなく内部の選手もバラバラだったチームだったが最後まで前を向き戦った。そんな彼の活躍を卒業後も期待していたファンは多いだろう。
しかし、さらに不運は続く。
入団したNECで4年目を迎えた頃、日本代表合宿にも召集された矢先に彼の脳を「てんかん」という病が襲った。
手術をし1年半ものリハビリが掛かったが何とか現役復帰した土佐選手。ラグビーができない状況まで追い込まれたが、持ち前の強い精神が彼を立ち上がらせた。
そしてNEC退団後にオーストラリアに渡り武者修行を敢行し成長した土佐選手は、再び日本ラグビーに戻ってきた。
今の三菱重工に必要なものは強敵との連戦に勝ち抜く為の強靭な精神と経験値である。だからこそ彼の存在が不可欠なのだ。
逆境を何度も乗り越えてきたプレーは選手だけでなく見る者も間違いなく魅了するだろう。
■三菱重工の秘密兵器
SO ダニエル・ホーキンス(ニュージーランド) 185cm 90kg
ボールを持てば素晴らしい突破を披露する攻撃型のスタンドオフ。
下部リーグにいるとは思えない存在感がある。
彼はニュージーランド出身。スーパーラグビーではオーストラリアのレベルズ(メルボルン)で活躍。スペースを見つければ迷いなく走り込み、味方との連携も忘れない天性のフットボーラ―センスを持つ選手だ。
ニュージーランドの各州代表によるリーグ戦にノースランド代表として出場しその才能を買われレベルズに入団したが出場機会は少なく、シーズン終了後に同チームに移籍。
今年10月28日よりチームに入団し、ホンダ戦にスタンドオフとして出場。チームは敗れはしたが、潜在能力はやはり高い。
連携や戦略・戦術理解が必要な司令塔だけに、日本ラグビーの経験さえ積めば三菱重工相模原にとって必ずプラスになるだろう。
■元日本代表の中核
CTB ニコラス・ライアン 190cm 100kg
http://www.townnews.co.jp/0301/2016/09/08/347440.html
パス、キック、タックル、判断力どれをとっても一級品の名に相応しく、彼がスタートメンバーになる事に誰も疑問を持たないだろう。
彼が務めるセンターはコンタクトプレーが多いが、高いレベルに行くほど冷静さやコミュニケーション能力も求められる。
来日当初、強豪サントリーで活躍していたが日本語が話せていた訳ではなかった。しかしチームに溶け込み戦略として彼の能力も組み立てられていき、その信頼で後に日本代表・不動のセンターも務めた。
2011年ワールドカップでは代表選手としては燃え尽きたように見えたが、次期日本代表監督だったエディ・ジョーンズからも、当時まだ成熟しきっていなかった代表チームに臨時で代表選手として招集された。
国際レベルの日本人センターは発掘しづらいとされる中で、彼の存在がいかに大きかったかが伺える。
そんな名選手が現在、三菱重工相模原にいる事は大きなプラスだろう。そして彼を知っている多くのファンがチームの勝利を期待しているのだ。