全高校ラガーマンの頂点を決める大会、「花園」が今年もやってくる。
毎年各地区の激戦を勝ち抜いてきたチームが優勝を目指して戦う。花園の主役となりうるチームを今回ピックアップしていく。
試合日程と出場校は以下の通り。
<試合日程>
- 1回戦:12月27日、28日
- 2回戦:12月30日
- 3回戦:1月1日
- 準々決勝:1月3日
- 準決勝:1月5日
- 決勝:1月7日
<出場校一覧>
都道府県 | 校 名 | 出場回数 |
北北海道 | 旭川龍谷 | 39年ぶり3回目 |
南北海道 | 札幌山の手 | 2年ぶり17回目 |
青 森 | 青森北 | 8年連続20回目 |
岩 手 | 黒沢尻工 | 4年連続30回目 |
秋 田 | 秋田中央 | 3年ぶり11回目 |
山 形 | 山形中央 | 2年ぶり25回目 |
宮 城 | 仙台育英 | 23年連続25回目 |
福 島 | 聖光学院 | 初出場 |
茨 城 | 茗溪学園 | 7年連続24回目 |
栃 木 | 国学院栃木 | 19年連続24回目 |
群 馬 | 桐生一 | 初出場 |
埼 玉 | 深 谷 | 2年ぶり10回目 |
千 葉 | 流経大柏 | 24年連続26回目 |
東京第1 | 早稲田実 | 82年ぶり6回目 |
東京第2 | 本 郷 | 8年ぶり10回目 |
神奈川 | 桐蔭学園 | 4年連続17回目 |
山 梨 | 日 川 | 13年連続48回目 |
新 潟 | 新潟工 | 15年連続43回目 |
長 野 | 岡谷工 | 2年ぶり30回目 |
富 山 | 魚津工 | 3年ぶり3回目 |
石 川 | 日本航空石川 | 14年連続14回目 |
福 井 | 若狭東 | 3年連続30回目 |
静 岡 | 静岡聖光学院 | 3年ぶり5回目 |
愛 知 | 中部大春日丘 | 6年連続8回目 |
岐 阜 | 関商工 | 2年ぶり38回目 |
三 重 | 朝 明 | 7年連続9回目 |
滋 賀 | 八幡工 | 2年連続27回目 |
京 都 | 京都成章 | 5年連続11回目 |
大阪第1 | 大阪桐蔭 | 7年連続13回目 |
大阪第2 | 大阪朝鮮高 | 4年ぶり10回目 |
大阪第3 | 常翔学園 | 4年連続37回目 |
兵 庫 | 報徳学園 | 3年連続45回目 |
奈 良 | 天 理 | 3年ぶり63回目 |
和歌山 | 和歌山工 | 4年連続24回目 |
岡 山 | 県玉島 | 2年ぶり2回目 |
広 島 | 尾 道 | 12年連続13回目 |
鳥 取 | 米子工 | 2年ぶり8回目 |
島 根 | 石見智翠館 | 28年連続28回目 |
山 口 | 大津緑洋 | 5年ぶり29回目 |
香 川 | 高松北 | 5年連続13回目 |
徳 島 | 城 東 | 2年連続12回目 |
愛 媛 | 新田 | 10年ぶり45回目 |
高 知 | 土佐塾 | 7年連続18回目 |
福 岡 | 東福岡 | 19年連続29回目 |
佐 賀 | 佐賀工 | 37年連続47回目 |
長 崎 | 長崎北陽台 | 2年ぶり17度目の優勝 |
熊 本 | 熊本西 | 2年連続12度目 |
大 分 | 大分舞鶴 | 33年連続57回目 |
宮 崎 | 高 鍋 | 8年連続26回目 |
鹿児島 | 鹿児島実 | 5年連続19回目 |
沖 縄 | 名 護 | 2年ぶり17回目 |
それでは2018年の注目校を紹介しましょう。
■注目校
・東京都代表 早稲田実業高校
実に82年ぶり6度目の花園出場という長い間眠っていた古豪である。近年は選手個々の力が上がり徐々に戦績を積み重ねてきた。
一昨年に準決勝、昨年は決勝と1段階ずつステップアップしてきた時間を乗り越えて手に入れた東京都第2地区代表である。
OB選手としては系列校の早稲田大学No.8丸尾崇真とCTB中西亮太郎。実績に伴い実力ある選手を輩出している高校として徐々に名を挙げてきたのも事実だ。
そんな早稲田実業はFWとBKの連携が取れるバランスの良いチームに仕上がった。主将のNo8相良はスピードある突破だけでなくサポートプレーへの嗅覚も優れている。
BKにはセンスの光るCTB植野にWTB今駒、U17日本代表に選ばれ主将を務めたBKの要であるFB小泉がいる。予選決勝ではFB小泉を中心にキレ味あるランを披露したBK陣にスペースを見つけては走り続けたFWの働きが素晴らしかった。
花園でも臆する事なく自分達のラグビーを披露できるようになれば、シード校相手にも勝利は見えてくる。
・千葉県代表 流通経済大学付属柏高校
全国高校選抜大会はベスト4。高校日本代表候補のPR葛西主将、両LOの八木澤と星野、No8の當眞、WTB永山らがチームの軸となり攻守に活躍するだろう。
同校はベスト8の壁に阻まれてきたが、元リコーのトップリーグ選手で日本代表経歴もある相監督のもとフィジカルを鍛え上げてきた。
元々フィジカル面では自信を持っていたがトップリーグのエッセンスも加えて戦略も練られて強さが更に増したという印象だ。重量フォワードが鍵になる事は間違いないが、重量フォワードといっても機動力を兼ね備えているのが今季の同校だ。
近場だけでなく展開ラグビーを実践するうえでNO8當眞の攻撃センスも重要な鍵となる。また、セブンスユース世代代表のWTB永山はスピードがあり決定力もある。選抜大会のようにFWの力を発揮するだけでなくBKの決定力も存分に発揮できればベスト8の壁も破れるだろう。
・愛知県代表 中部大春日丘高校
花園では1回戦から3回戦までの戦績が近年続いているが、個々の能力は注目できる。OBでいえば現日本代表でもある姫野和樹(トヨタ自動車)がいた。
チームはフィジカル強化を主にトレーニングに励むチームであり、その礎を背負った選手達が大学ラグビーでも活躍してきている。今季は高校日本代表候補だけでも7人という豪華布陣だ。
フロントロー3人の青木、肥田、池田ともスクラムワークが強力で代表候補に選ばれた。バックローには柔らかいステップに仕事量のある186cmのFL/No8古庄がいる。
BKには攻撃力のあるSH岡本に接点の要となるCTB野中、キレ味鋭いFB大藪とゲームの軸となりうるポジションを占めている。愛知県予選は決して軟な大会ではないが、毎年接戦を演じる地区予選を今年は圧倒的な力で勝ちあがった。
メンバーは昨年の花園を経験してきているが、今季は実力揃う上級生の中に交じって1年生の堀日がスタンドオフ(司令塔)を任されている。キック力があり安定したキックで得点源にもなっている。
春日丘は今季花園ベスト8を掲げている。代表候補がいるとはいえ決して楽な道程ではないが、ポテンシャルの高さは大会でも指折りではないだろうか。
・奈良県代表 天理高校
国内でも指折りの伝統校であり、県内のライバル御所実業という全国強豪校(※今年に至っては国体優勝)と毎年花園の切符を争っている。
タレント揃いの御所実業に対して天理高校は伝統の展開ラグビーが武器だ。その展開ラグビーを生みだす軸となる選手達は強力だ。高校日本代表候補にはPR金山とLO山村は接点が強く機動力もある。
さらにNO8の照井主将がBKラインに入った攻撃は相手にとって脅威だろう。BKには代表候補にFB津野が選ばれている。得意のカウンター攻撃で一気に敵を切り裂ければ面白い。激戦区奈良県予選を勝ち抜いた天理ラグビーは花園を沸かせてくれるだろう。
<奈良県大会>
・福岡県代表 東福岡高校
今大会優勝候補の一角。昨年の花園では大本命と云われながら惜しくも準決勝で敗退した悔しさがあるだろう。今季は圧倒的な強さではないものの、代表候補10名という選出数は他でも真似できない。
層の厚さ、センスの卓越さは他校が羨む逸材揃いでもある。サイズは細く見えてもラグビーセンス抜群の選手達の中で、注目のSO/CTB吉村がラインを引っ張る。
1年時からメンバー入りし全国優勝も経験した経験値と判断力あるプレーは全国大会でも注目の存在となる。また際立って東福岡が強い年はいつも決定力のあるウイングがいる。
今季はWTBの高本にその大きな期待が背負われているだろう。2年生でありながらストライドのあるランでトライを量産すればチームに自信を与えゲームを支配しやすくなる。
全国でも指折りの激戦区である福岡県大会でも高い決定力を披露した。BKにはFB竹下やCTB原口、SH友池に廣瀬も高校日本代表候補と豪華布陣だ。タレントが今年も揃う中でWTBの高本が担う「トライを取る力」が勝利の鍵を握るだろう。
もちろん他にも、大会で話題に上がる高校は出てくるだろう、昨年で言えば埼玉昌平のディフェンスには驚いた。敗れはしたものの格上の東福岡に対して思うような攻撃をさせなかった。
今年も、ラグビーファンを熱くさせてくれる高校が出てくることに期待!