2018年6月からの4回に渡る、厳しい強化及びセレクション合宿を経て、26名の高校日本代表メンバーが決定された。今年度は3月17日から29日までのウェールズ遠征であり、U19(19歳以下)ウェールズ代表チームとの対戦など、タイトで貴重な遠征である。まさにこれからの日本ラグビーの力試しとも言えるであろう。
代表メンバーとそのスタッフは下記のとおりである。
1.2018年度高校日本代表メンバー(2019年2月18日現在)
※メンバー選手のコンデション等により変更になる場合もある。
※進路先は現時点で決定しているもの。
※この時点ではキャプテン・バイスキャプテンは未定。
ポジション | 氏名 | 所属先 | 学年 | 身長
(cm) |
体重
(kg) |
進路先 |
PR
プロップ |
江良 颯
えら はやて |
大阪桐蔭高校 | 2 | 171 | 107 | |
葛西 拓斗
かさい ひろと |
流通経済大学柏高 | 3 | 184 | 104 | 明大 | |
木原 優作
きはら ゆうさく |
東福岡高校 | 3 | 175 | 95 | 筑波大 | |
シンクル 寛造
しんくる かんぞう |
札幌山の手高校 | 3 | 187 | 112 | ||
HO
フッカー |
紀伊 遼平
きい りょうへい |
桐蔭学園高校 | 3 | 173 | 97 | 明大 |
福井 翔
ふくい しょう |
東福岡高校 | 3 | 170 | 87 | 帝京大 | |
LO
ロック |
甲斐 登生
かい とうい |
石見智翠館高校 | 3 | 183 | 96 | |
竹内 慎
たけうち しん |
石見智翠館高校 | 3 | 190 | 98 | 明大 | |
楢崎 海人
ならさき かいと |
福岡県立筑紫高校 | 3 | 182 | 80 | ||
星野 竜輝
ほしの りゅうき |
流通経済大学柏高 | 3 | 187 | 86 | 流経大 | |
FL/NO.8
フランカー/ナンバーエイト |
奥井 章仁
おくい あきひと |
大阪桐蔭高校 | 2 | 177 | 106 | |
今野 勇久
こんの ゆうく |
桐蔭学園高校 | 3 | 179 | 87 | 慶大 | |
福西 隼杜
ふくにし はやと |
報徳学園高校 | 3 | 177 | 98 | 京産大 | |
山添 圭祐
やまぞえ けいすけ |
長崎県立長崎北陽大高校 | 3 | 176 | 95 | 帝京大 | |
SH
スクラムハーフ |
小西 泰聖
こにし たいせい |
桐蔭学園高校 | 3 | 167 | 70 | 早大 |
友池 瞭太
ともいけ りょうた |
東福岡高校 | 3 | 168 | 65 | 専大 | |
SO
スタンドオフ |
高本 幹也
たかもと みきや |
大阪桐蔭高校 | 3 | 172 | 76 | 帝京大 |
中楠 一期
なかくす いちご |
国学院大學久我山高校 | 3 | 174 | 80 | ||
CTB
センター |
ポロメア・フィナウ | 東海大学付属福岡高校 | 2 | 180 | 98 | |
槇 瑛人
まき えいと |
国学院大學久我山高校 | 3 | 175 | 84 | 早大 | |
松山 千大
まつやま ちひろ |
大阪桐蔭高校 | 3 | 173 | 82 | 帝京大 | |
季 承信
りー しょうしん |
大阪朝鮮高級学校 | 3 | 175 | 77 | ||
WTB/FB
ウイング/フルバック |
石田 吉平
いしだ きっぺい |
常翔学園高校 | 3 | 168 | 70 | 明大 |
二村 莞司
ふたむら かんじ |
京都成章高校 | 3 | 177 | 77 | ||
メイン 平
めいん たいら |
奈良県立御所実業高校 | 3 | 178 | 83 | NZノースショアラグビークラブ | |
山田 響
やまだ ひびき |
報徳学園高校 | 2 | 174 | 73 |
※当初アサエリ・ラウシ選手(LO・日本航空高校石川187cm 111kg)が選出されていたが、怪我のため参加辞退となり、甲斐登生選手が追加召集となる。
2.2018年度高校日本代表スタッフ
役職 | 氏名 | 所属 |
高校日本代表 団長 | 渡辺 一郎 | (公財)日本ラグビーフットボール協会 |
高校日本代表 監督 | 薬師寺 利弥 | 光泉高等学校 |
高校日本代表 FWコーチ | 高橋 智也 | 岩手県文化スポーツ部 |
高校日本代表 BKコーチ | 馬場美喜男 | トヨタ自動車ヴェルブリッツ |
高校日本代表 スピード/S&Cコーチ | 里 大輔 | SATO SPEED Inc. |
高校日本代表 テクニカル | 岩野 竜二 | 鳥取県立倉吉東高校 |
高校日本代表 ドクター | 木島 和也 | 兵庫医科大学 |
高校日本代表 トレーナー | 大石 徹 | 帝京科学大学 |
高校日本代表 総務 | 瀬越 正敬 | 和歌山県立熊野高校 |
3.注目の選手
もちろん厳しいセレクションを経て選出された選手だけに、どの選手にも将来性をはじめ注目が集まる。そのうえであえて注目の選手を列記すると、FWは全体的にはやや小柄な選手が多いが、その分走力・パス能力など多彩なスキルに富んだ選手が多いのが特徴である。
PRは2年生ながら選出された、江良颯選手(大阪桐蔭高)や、まだ粗削りながら187cm 112kgと体格に恵まれたシンクル寛造選手(札幌山の手学院高校)も、体の大きい外国人選手との対戦に期待がかかる。
HOの紀伊遼平選手(桐蔭学園)もチームを引っ張ったメンタル的にも強いプレーヤーであり、またLOで選出された竹内慎選手(石見智翠館高校)は第3列もこなす選手である。
もちろん第3列(FL/NO8)も、突破力・機動力を兼ね備え、強烈なデフェンスを持ち、,2年生で選出された奥井章仁選手(大阪桐蔭高校)をはじめとする頼もしい布陣である。
BKは素早い球さばきと、広い視野を持ったSH小西泰聖(桐蔭学園高校)、球足の長いキックと、瞬間の判断力を持った高本幹也(大阪桐蔭高校)の東西桐蔭ハーフ団を見てみたい。
CTBはペネトレーター(突破役)として強いインパクトを持ったポロメア・フィナウ選手(東海大学付属福岡高校)、昨季の日本代表にも、前出のアサエリ・ラウシ選手とともに選出された季承信選手(大阪朝鮮高級学校)、そしてチームの初制覇に、攻守共に体を張ったプレーで精神的支柱となった松山千広選手(大阪桐蔭高校)とタレント揃いである。
WTB/FBでは自チームではNO,8をこなした石田吉平選手(常翔学園高校)、切れ味鋭いステップを武器とするメイン平選手(奈良県立御所実業高校)、2年生ながらこのメンバーでナンバー1のスピードを誇る山田響選手(報徳学園高校)が注目される。
4.参考
2018年10月にアルゼンチンで開催されたセブンユース五輪(南アフリカ代表を下し銅メダル)にこの代表選手の中から石田吉平・小西泰聖・二村莞司・メイン平・山田響の5名、そして東京オリンピックを見据えた男子7人制日本代表候補合宿には、石田吉平・小西泰聖・二村莞司の3名が召集されている。(順不同)
昨季のアイルランド遠征では、U19アイルランド代表を40対24で破り、遠征を手ごたえのあるものとしたが、今季のチームにも日本ラグビーの礎の強靭さを是非アピールしてもらいたい。
そして2023年にフランスで開催されるラグビーワールドカップには、このメンバーのうち何名かが日本代表として、グラウンドを縦横無尽に走り回る事を期待する。