2019年9月20日〜11月2日に日本で開催された「第9回ラグビーワールドカップ」
19年初の大会認知度は20%台とラグビー人気低迷が心配されていたが、終わってみれば記録づくしの大会となったのか?とれとも記憶に残る大会となったのだろうか?
目次
経済効果
国際統括団体ワールドラグビー(WR)と大会組織委員会によると、今大会の経済効果(外国人宿泊・関連グッツ等の売り上げ)は4,370億円を見込んでいる。2015年イングランド大会の経済効果が、23億ポンド 日本円にして3,220億円と前回大会を大きく上回った。
ボランティア雇用創出による増税収入などを含めると、更に多くの経済効果を生み出す事になる。
チケット販売率
最終的なチケット販売数は約99%の約184万枚を記録。この記録はワールドカップ史上最高の販売率となった。イングランド大会は、率は日本大会より劣るものの247万枚以上 98%を販売している。
観客動員数
台風で中止になった3試合を除いた全45試合の観客動員数は170万人、1試合あたり平均で38千人。
海外に比べスタジアムの収容人数が少ないため、イングランド大会に比べチケット競争率が高くなった。
◆プール戦の観客動員数
試合日 | 会場 | 試合 | 観客数 |
9/20金 | 東京 | 日本対ロシア | 45,745 |
9/21土 | 札幌 | 豪州対フィジー | 36,482 |
東京 | フランス対アルゼンチン | 44,004 | |
横浜 | NZ対南ア | 63,649 | |
9/22日 | 花園 | イタリア対ナミビア | 20,354 |
横浜 | アイルランド対スコットランド | 63,731 | |
札幌 | イングランド対トンガ | 35,923 | |
9/23月 | 豊田 | ウェールズ対ジョージア | 35,545 |
9/24火 | 熊谷 | サモア対ロシア | 22,564 |
9/25水 | 釜石 | ウルグアイ対フィジー | 14,025 |
9/26木 | 福岡 | イタリア対カナダ | 16,984 |
神戸 | イングランド対アメリカ | 27,194 | |
9/28土 | 花園 | アルゼンチン対トンガ | 21,917 |
静岡 | 日本対アイルランド | 47,813 | |
豊田 | 南ア対ナミビア | 36,449 | |
9/29日 | 熊谷 | ジョージア対ウルグアイ | 24,895 |
東京 | 豪州対ウェールズ | 47,885 | |
9/30月 | 神戸 | スコットランド対サモア | 27,586 |
10/2水 | 福岡 | フランス対アメリカ | 16,984 |
大分 | NZ対カナダ | 34,411 | |
10/3木 | 花園 | ジョージアvフィジー | 21,069 |
神戸 | アイルランド対ロシア | 26,856 | |
10/4金 | 静岡 | 南ア対イタリア | 44,148 |
10/5土 | 大分 | 豪州対ウルグアイ | 33,781 |
東京 | イングランド対アルゼンチン | 48,185 | |
豊田 | 日本対サモア | 39,695 | |
10/6日 | 東京 | NZ対ナミビア | 48,354 |
熊本 | フランス対トンガ | 28,477 | |
10/8火 | 神戸 | 南ア対カナダ | 28,014 |
10/9水 | 熊谷 | アルゼンチン対アメリカ | 24,377 |
静岡 | スコットランド対ロシア | 44,123 | |
大分 | ウェールズ対フィジー | 33,379 | |
10/11金 | 静岡 | 豪州対ジョージア | 39,802 |
10/12土 | 中止 | ||
中止 | |||
福岡 | アイルランド対サモア | 17,967 | |
10/13日 | 中止 | ||
花園 | アメリカ対トンガ | 22,012 | |
熊本 | ウェールズ対ウルグアイ | 27,317 | |
横浜 | 日本対スコットランド | 67,666 |
決勝戦の観客動員数
11月2日の決勝は、南アフリカ対イングランド。 横浜国際総合競技場の観客動員は70,103人を記録した。この記録は日本スポーツ界における新レコード。
2002年日韓サッカーワールドカップ決勝の69,029人を超えた記録だが、2015イングランド大会では、9月27日に行われたアイルランド対ルーマニア戦で、日本記録よりも約19千人多い89,267人を記録している。
◆W杯決勝トーナメント観客動員数
試合日 | 会場 | 試合 | 観客数 |
10/19土 | 大分 | イングランド 対豪州 | 36,952 |
東京 | NZ 対アイルランド | 48,656 | |
10/20日 | 大分 | ウェールズ 対フランス | 34,426 |
東京 | 南アフリカ 対 日本 | 48,831 | |
10/26土 | 横浜 | イングランド 対NZ | 68,843 |
10/27土 | 横浜 | 南ア 対ウェールズ | 67,750 |
11/1金 | 東京 | NZ 対ウェールズ | 48,842 |
11/2土 | 横浜 | 南ア 対イングランド | 70,103 |
TV視聴率
2019年の全TV番組の視聴率ランキングはなんと、1位が10月2日に行われた南アフリカ対日本戦の平均視聴率41.6%、2位が日本対スコットランド戦の平均視聴率39.2%、3位が日本対サモア戦の平均視聴率32.8%となっている。
行われた日本戦の中でも、対スコットランド戦の瞬間最高視聴率は53.7%という驚異の数字を叩き出している。スコットランド戦を放映したのは日テレ。
2011年大会の3%からは想像も出来ない数字だけに、ラグビーを応援し続けた結果が実った視聴率となったようだ。何より日本代表の大活躍があったからに違いない。
◆日本戦の視聴率
試合日 | 時間 | テレビ局 | 試合 | 視聴率 |
9/20金 | 19:45 | 日テレ | 日本対ロシア | 18.3% |
9/28土 | 16:15 | NHK | 日本対アイルランド | 22.5% |
10/5土 | 19:30 | 日テレ | 日本対サモア | 32.8% |
10/13日 | 19:45 | 日テレ | 日本対スコットランド | 39.2% |
10/20日 | 19:15 | 日テレ | 日本対南ア | 41.6% |
ファンゾーン来場者数
全国の試合会場近くで設けられたファンゾーンへの来場者数は113万7000人。2015年イングランド大会の100万人を上回る数字となった。ファンゾーンでは、トップリーグの選手や、お笑い芸人のトークショーの他、ラグビー体験も行われ、各地域のラグビースクールの子供達も強力し大会を盛り上げた。
ハイネケンビールの売り上げ
スタジアムに足を運んだ方は、ビールの値段に驚いただろう。ファンゾーン付近の出店では300円で飲めるハイネケンのビールが、スタジアムではなんと1杯1,000円!
日本人には、高すぎる価格設定に「えっ?」と感じたファンも多いだろう。しかし、外国人ファンにとっては、あまり関係ないようだ。ビールは飛ぶように売れ、ビールの売り子は大忙し。9月の販売数量は前年同月の3.4倍を記録している。
特にアイルランド人は本当に凄い。東京スタジアムでアイルランド戦が行われる日の京王線の中は酔っぱらいだらけ!「何時から飲んでんだよ?」とツッコミたくなるくらいの緑のスーツを着た陽気なおじさん達が大勢乗車していた。
また、スタジアム付近のハブのオーナーは「開店以来 史上最高にビールが売れた!」と嬉しい悲鳴を上げた。
ソーシャルメディアの記録
大会公式SNSで観覧された回数は、前回イングランド大会の4倍以上となる17億回を超えた。多くの”いいね”やリツイートにより日本中にラグビーが広がったようだが、何より大会SNSの投稿内容がセンス良すぎて、何を投稿してくれるのか気になって仕方が無かった。
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ラグビースクールのママ達
何より、一番驚いたのは、子供がラグビースクールに通うママ達のラグビートークがマニアックになった事に嬉しさを感じる。ラックもオーバーも分からなかった、むしろ興味もなかったママが、「ゆっくり家で試合を見たいから早く帰る」と口にしたり、
これまで子供の試合を見てもよく分からなったままが「テレビの試合と全然違う。。」とワールドクラスの選手と自分の子供の試合を比べたりと、これまでとは考えられないくらいラグビーというスポーツが個人の生活に入り込んでいる。
どうすれば子供がもっと活躍出来るようになるのか、考えだした親御さんも多い。
勇気と感動を与えた日本代表が起こしたラグビー旋風は、きっとこれまでラグビーに興味が無かった人にも、未来の日本代表を担う子供達にとっても、数字では表せない影響を与えたに違いない。