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ラグビーQ&A

ラグビー ニュージーランド代表 オールブラックスのハカはどんな意味があるのか?

1987年の第1回ラグビーワールドカップ(以下RWC)はニュージーランド代表オールブラックスの優勝で幕を閉じたが、この大会で強烈なインパクトを与えたのが、

ニュージーランド代表が試合前に踊るウォークライ(ハカ)だった。当時は南半球の試合の放映が乏しく、実際に初めて動きのあるウォークライに見た人は少なくなかったはずである。

 

そして同じパシフィックアイランドのトンガ代表にはシピタウ、サモア(当時は西サモア)代表にはシヴァタウ、そしてフィージー代表にはジンピとそれぞれのウォークライがあり、これ以降NZ代表のものはハカと呼ばれるようになってくる。

ニュージーランド代表が試合前に踊るハカとは、本来はニュージーランドに住むマオリ族が戦の前に手を叩き、足を踏み鳴らし相手を威嚇し、自分たちの士気を高める舞踏である。

そして相手への敬意を表す意味もある。これは1905年から行われている儀式である。

このハカはカマテと呼ばれ、1810年、あるマオリ族の部族長が敵に追われ隠れていたところ、這い出たところに人がいた。殺されると観念したがそれが幸運にも親しい部族長だったので一命を取り留めた。そのことに感謝の気持ちと喜びを込めて踊ったものとされる。

ラグビーのニュージーランド代表で有名になったが、他のスポーツのニュージーランド代表も行っており、結婚式、卒業式、歓迎会や死者の御霊を供養し追悼の意味を表す意味で葬儀でも使われる。

2019年のクライストチャーチでの銃乱射事件の合同葬で、高校生たちが踊ったハカの映像は涙を誘った。

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また1968年の東京オリンピックの記録映画では、ハカを踊るニュージーランド選手団の映像が残されている。そしてNZの留学生たちは(女性も含めて)宴席でハカを披露することもある。

要はハカに対する真剣さと敬意を表し、踊る人がその意味をしっかり理解しているのであれば誰でもハカを踊ることは許されるのだ。なおリード(先導)する選手はマオリ族の血を引く選手が行うことが慣例であるが、いくつかの特例も見られる。

そして2005年には新しいハカ、カパ・オ・パンゴが披露された。これは大会の決勝や、因縁の相手などと対戦する時に踊られることが多く、カマテより重要度が高いようである。

カパ・オ・パンゴ

 

今回のRWCでも準決勝のイングランド(以下ENG)代表戦ではカパ・オ・パンゴを踊ったが、3位決定戦のウエールズ代表戦ではカマテだった。

また2018年にニュージーランド代表が来日した際、オーストラリア(以下AUS)代表と対戦したブロディスローカップ(NZ代表とAUS代表との対抗戦)ではカパ・オ・パンゴだったが、1週間後の日本代表選ではカマテだった。

また、カパ・オ・パンゴでは最後に親指で首を切るという動作があり、これが「首切りハカ」と多くの批判を受けたが、これは「相手の首を切る」という意味ではなく、「自らの首をかけても相手を倒す。」という意味が込められているという。

しかしいくら相手に対する敬意を持つと言われても、目の前で大男たちに必至の形相と大声でハカを踊られては、対戦相手にとって大変なプレッシャーであろう。

大体のチームは肩を組み合って睨みつけているパターンが多いが、今回のRWCの準決勝で対戦相手のENG代表はU型の陣形で対抗した。(ハーフラインを超えて対峙した選手は罰金を科せられた。)

また、1991年のRWC準決勝ではAUS代表のデビット・キャンピージーは完全無視を決め込み、ひとり黙々とタップキックの練習を繰り返していた。(どちらもニュージーランド代表が敗れている。)

もう一つ有名なのは2003年RWCでのトンガ代表であろう。本来はハカの後にシビタウを行うことになっていたが、興奮していたためかついつい「カマテ」の発声とともに初めてしまい、「ウォークライ合戦」として話題になった。

 

ニュージーランドの人に言わせると、当初のハカは「大変シンプルで面白みのないもの」だったらしい。この間に振り付けもバージョンアップし、今や洗練されたパフォーマンスとなっている。

ラグビーが好きな小学生は特に ↓kamateを真似する子が多い。 

 

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