ラグビーとは実に不思議なスポーツだ。
「球技」と言いながら、プロップ(1番&3番)の選手が一回もボールに触らないまま試合を終える可能性もある。
「格闘技である」と言いながら、力の差が歴然としている試合ではフルバック(15番)の選手が一度もタックルをしないまま試合を終える事もあり得る話だ。
それぞれのポジションがある種の「専門性」を持っていて、見方によっては「職人の集団」にも見える。
同じスポーツなのに、例えばバックス専門にやっていた選手がある日突然「スクラムを組め」と言われたら、例え大学生であっても高校生にいとも簡単に押されてしまうだろう。
そのラグビーにおいて、一番難しいポジションはどこなのだろう。
素人がいきなり始めて「これは無理だ」となるポジションといえば、これは間違いなくプロップだろう。スクラムの第一列で、高度なスクラム技術を必要とするからだ。これは練習に練習を重ねないととてもとても危なくて組めたものではない。
しかし、逆に言うと誰にも負けないスクラムの技術さえ習得出来れば試合に出場できる可能性は非常に高い。
2019年でW杯日本代表で言えば、「ぐーくん」こと具智元(グ・シウォン)選手、「ガッキー」こと稲垣選手が活躍したポジションだ。
↓世界を驚かせた日本代表のスクラム
では、ある程度経験を重ねた選手で「難しい」ポジションはどこであろうか。
ラグビーで一番難しいポジションはフルバック(15番)か!?
スタンドオフと言う人もいる。スクラムハーフと言う人もいるだろう。ここでは、バックスラインの後ろに位置し、全体を見渡しながらゲームをマネジメントするフルバックをラグビーで一番難しいポジションとして紹介したい。
フルバックの難しさの1つ キック処理
ラグビーは屋外で行われるスポーツであり、グラウンド状況は天候に大きく左右される。特に試合に影響が出てしまうのが風が強い日だ。フルバックからすると「厄介な日」だろう。
フルバックは自チームの一番最後尾に位置し、相手のトライを阻む文字通り最後の砦である。相手が蹴り込んできたキックの処理に追われる事が多く、多くの能力が求められる。
求められる能力
・相手の意図を読む能力
・ボールの落下地点を瞬時に見極める能力
・ボールを上手く取るハンドリング能力
・敵陣に深く蹴り返すキック力、
・爆発的なスピードで相手陣地まで走るビックゲインする力
キック処理では、風の強い日は相手がキックしたボールの落下地点が容易に読めない事が多い。まして、楕円のボールである。一度転がるとどのように跳ねるのか予想もつかない。
風にほんろうされ、不規則に跳ねるボールを敵が来る前にきちんと処理し、安全なところまで蹴り返すのだ。
しかも、転がってきたボールを拾うだけではない。高く蹴り上げられたボールに対しては、敵よりも高くジャンプしボールを確保しに行かなければない。
キックの処理を誤ればその瞬間に相手のトライということになりかねない。まさに紙一重といったプレーを毎回強いられるのである。
↓下記動画をご確認頂くと、どのようなプレーの状況の中で判断を行っていく必要があるのかが分かる。
フルバックの難しさのもう一つはタックル
自チームの防御ラインを突破した相手がフルバックまで到達する時、大抵相手はトップスピードに乗っている。このトップスピードに乗った相手に恐れる事なく一発で止める勇気とタックルの技術が要求されるのだ。
「ミスしたら終わり」「抜かれたら終わり」という状況の中でのプレーを常に要求されるフルバック、このポジションを「一番難しい」と言っても過言ではない。
↓フルバック(15番)のスーパープレー
基本、フルバックの選手はどこのポジションも出来るのか。
フルバックの難しさについて説明してきたが、フルバックの能力と言う点でも説明しておきたい。フルバックはスクラムハーフ(9番)以外のポジション、スタンドオフ・センター・ウイングの要素が全て備っている。
パススキルにしかり、キックスキルにしかり、ランプレーにしかり、縦を突破するラインブレイクする能力にしかり、卓越したタックルスキルも備わっている。
そして、相手のハイパウントキックに対して落下地点を予測したジャンプキャッチも洗練されたスキルだ。
と考えていくとラグビーで一番難しいポジションはフルバックなのかもしれない。
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