2019年9月28日 日本 ー アイルランド 19 ー 10
日本代表がまたもティア1(tier1)の国から勝利を勝ち取ってしまいましたね。
最近のラグビー関連のテレビを見てみると、「ティア1の国」という言葉を使う事が多くなっているような気がします。。「ティア1って何?」と疑問に感じる方も多いでしょう。
特に、製造業で仕事をする方々は仕事で頻繁に使う言葉であり、どのような使われ方をしているのか気になって仕方が無いでしょう。
このページでは、世界ランキングとは別に存在する”階級(ティア)”について説明します。
ティアの存在
ラグビー界においてもティア1、ティア2、ティア3といった階級が存在します。全部で3階級に分けれておりますが、厳密な決まりやルールは存在しません。
ざっくり説明しますと、ティア1はワールドカップの決勝トーナメントに進む国。ティア2はグループ予選で敗退する国、ティア3はワールドカップにも出場しない国です。
今現在、ザ・ラグビーチャンピオンシップに出場する4か国とシックスネーションズに出場する6か国の計10か国がティア1として名を連ねています。
◆ティア1の国(世界ランキングはW杯前)
国名 | 世界ランキング | W杯最高成績 |
NZ | 1位 | 優勝 |
南アフリカ | 5位 | 優勝 |
オーストラリア | 6位 | 優勝 |
アイルランド | 3位 | ベスト8 |
イングランド | 3位 | 優勝 |
ウェールズ | 4位 | 3位 |
スコットランド | 7位 | 4位 |
フランス | 8位 | 準優勝 |
アルゼンチン | 11位 | 4位 |
イタリア | 14位 | 予選敗退 |
イタリアは決して弱くはない国ですが、周りの国が強すぎてあまり名前を聞かないかもしれません。しかし、日本が30-10としたロシア相手に、テストマッチで85-15で勝利しています。
また、アルゼンチン代表は95年・99年大会と日本代表と力はそれほど変わりませんでしたが、12年から シックス・ネーションズに加わり、2015年ワールドカップではベスト4の好成績。ティア1入りを果たしています。
ティア2では日本が最強?
日本は、ティア2に属しておりティア2は全部で13か国存在します。
ヨーロッパからは、ジョージア、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スペイン
アメリカ大陸からは、カナダ、アメリカ、ウルグアイ
アフリカからは、ナミビア
アジアからは、日本
オセアニアからは、フィジー、サモア、トンガ
2019年ワールドカップに出場している国もありますが、予選を突破する力がない国が殆どです。過去には、カナダ、フィジー、サモアがベスト8に進出しておりますが、2015年はどのチームも予選敗退しております。
やはり、1番の成長株は日本代表でしょう。2015年いはティア1の南アフリカに勝利し、2019年には優勝候補の一角アイルランド代表に勝利しています。
アイルランドからの勝利は、これまで奇跡と言われていた南アフリカ戦からの勝利が奇跡では無くなった瞬間でした。また、世界が日本のラグビー、そして魂のこもった日本のディフェンスを認めた試合でもありました。
日本のティア1入りも決して夢ではないですね。
ティア3
「好きな国がティア1、ティア2にいない。。」という方、
もちろんティア3も存在します。と言いますか、ティア3は残りの国(数十か国)の事をさします。ただ、全ての国を同じ箱に分けているわけでは無くデベロップメント1、デベロップメント2という分け方をしています。
デベロップ1には、ベルギー、ドイツ、ブラジル、チリ、ケニア、コートジボワールジンバブエ、香港、韓国の9か国が属します。ティア3の中では強豪国と言われる国です。
そして、デベロップメント2にはコロンビアや、ノルウェイなどラグビーでは聞かない国が、数十か国属しています。
如何でしょう。基本的にテレビで見る試合は、ティア2までの試合です。ティア1、ティア2の国はハイパフォーマンスが出来る国にも属します。
仕事とラグビーの共通点
一般的にティアは階層を表します。製造業の方は、ティアという言葉を使う事も多いのではないでしょうか。例えば、日産自動車やトヨタ自動車といった自動車会社は、ASSY部品(エンジン等)を購入する会社をティア1と言います。
ASSY部品の構成品(エンジンの構成品であれば、ファンベルト等)を生産する仕入先をティア2、ティア3と言います。ラグビーと違い決して、ティア2、ティア3が弱いという分けではありません。
世界№1のトヨタ自動車も、内製の工場で部品の構成品を作っています。サプライチェーンの管理する上で、ティア1、ティア2の把握はとても重要なのです。
特に、近年は震災の他、台風や大雨の影響も目立つようになってきました。また、高度経済成長時の設備の経年劣化から火災が多く発生しています。
「○○製鉄所火災」となれば、対象材料⇒商社⇒対象部品(構成品)⇒対象部品(ASSY)⇒車⇒必要数を導き出し、在庫が無くなるまでに代替生産場所を見つけるのです。
お客様に迷惑をかけないために、関係者が全員で連携しながら仕事を進めていきます。バイヤーから設計、設計から品質保証とパスを回しながら前に進んで行きます。
サッカーのように1人だけ前にいても、上手く進みません。スローフォワードは反則と同じ、後で仕事のやり直しが発生します。
部署間で役割が違うように、ラグビー15人の役割もそれぞれ異なります。1人でもサボってしまうと、部品は繋がらず車両生産もストップしてしまいます。1人でもサボってしまうと、トライまで繋がりません。
原理原則ですね。「トライが取れていれば勝てたのに。。」という事がないように
組織に属する人であれば、日本代表のように「絶対に敵わない」と周りから言われたとしても、チームで仕事をしている事を意識し結果を残したいですね。
以上 ティアについての説明でした。