このページではタッチキックについて説明します。タッチキックは時間をかけずに敵陣まで逃げる手段としては一番有効な手段です。
中途半場なキックを蹴ってしまうといっきに相手のチャンスへとかわってしまうためキッカーの技術や正確さが求められます。
また、タッチキック敵陣まで逃げる目的ではなくさらにチャンスを作る時にも利用されるキックです。タッチキックの成功は、試合の流れを大きく左右することがあります。
戦術的な使い方や連携プレーによって、チームのピンチから有利な状況を作り出すことができます。タッチキックの重要性や具体的なルールについて詳しく見ていきましょう。
・ピンチでのタッチキック
・相手ぺナルティ―からのタッチキック
ラグビーのタッチキックとは何か?
タッチキックは、ラグビーで行われるキックの一種です。タッチキックはボールを手で持ち、キッカーが自陣から相手陣へボールを蹴ることが前提です。
ココがポイント
ラグビーのフィールドは白い線で囲まれています。ゴールラインからゴールライン間の横のラインを「タッチライン」といいます。そして、このタッチラインの外にボールを出すキックをタッチキックと言います。
タッチの外にボールが出ると一度プレーが切れます。ラインアウトからのリスタートとなります。
そして、このタッチキックは大きく2つの目的で使われます。
①ピンチでのタッチキック
「自陣トライエリアから早く逃げたい!」という時はタッチキックにより大きく陣地を挽回する戦略がセオリーです。もちろん蹴らずにパスを回し継続して陣地を挽回するチームもありますがリスクが大きいです。
確実に陣地を挽回できるキックを選択するチームがほとんどです。
せっかく、敵陣ゴール前までボールを運んでも、相手にボールをとられてしまいさらに相手チームのキックがものすごい飛距離が出てしまうと、モチベーションダダ下がりです。
②チャンスにつながるタッチキック
相手に反則された後のペナルティーでもタッチキックを選択することができます。
自陣でのペナルティーはタッチキック、敵陣でのペナルティーは3点を狙うプレースキックを選択するチームが多いです。
このキックはタッチの外にでると必ずマイボールでのラインアウトでスタートするため、キックを利用し大きく陣地を獲得することが可能です。
ペナルティーとは反則の事ですが、アタック(攻撃)を妨害するプレー、ディフェンス(守り)を妨害するプレーにより相手から反則を受けた場合は、ペナルティーキックのチャンスを得ることが出来ます。
そして、これらの「タッチキック」。ラグビーをあまりご存じでない方には少し難しいルールが設定されていまます。そのため試合中のキックの後に疑問に感じることも多いでしょう。
ラグビーのタッチキック時の具体的なルール
ここからは具体的なシチュエーションとともにタッチキック時でのルールを見ていきましょう。
ペナルティーでよく見るインゴールへのキック
ペナルティーからのタッチキックは、どれだけ敵陣ゴール前まで陣地を挽回できるかがポイントとなってきます。
そのため狙いすぎると残念な結果になってしまうこともあるのです。
①タッチの外にボールが出ずに相手にキャッチされる。
②ボールを飛ばしすぎて、相手インゴールエリア(トライするエリア)までボールが飛んでしまう。
どちらも「もっと敵陣に入りたい」との気持ちから起きてしまうパターンです。
②は以下の画像を参照ください。
この場合、キックを蹴った選手は
となってしまいます。
その為、タッチキックは、リスクを侵さず確実にタッチの外に出せる距離・コースを狙って蹴る事が多いです。もちろん、負けてる時や、キッカーのその日の調子によりギリギリを狙う事もあります。
そして、ペナルティーキックからタッチの外に出るとラインアウトで試合再開となります。
ペナルティーキックからタッチの外にボールが出ると、蹴りだしたチームのボールからリスタートとなります。そして、ラインアウトでの試合再開となります。
ラインアウトは、フォワードが一列に並び合い2番のフッカーから真っすぐに投げ込まれたボールを、取り合うセットプレーです。
と思ってしまうかもしれませんが、基本的にラインアウトではボールを投げるチームがサインを出すのでマイボールの獲得率は非常に高いです。
確かに、”変なところにボール投げてしまう。””相手が先読みしてボールを獲られてしまう”などのリスクはありますが、そのリスクを踏まえても自陣から逃げ出し陣地を大きく挽回出来るペナルティーからのタッチキックは、試合の流れを掴むうえでとても大事な選択なのです。
タッチキックのミスで多いダイレクトタッチ!
まず中央にハーフライン、これは自陣と敵陣のちょうど真ん中を示していいます。ハーフラインの両隣の点線が10メートルライン、これは「ハーフラインから10メートル」のところに引かれます。
そして、10メートルの次が22メートルライン。これは10メートルラインとは違い、「ゴールラインから22メートル」のところに引かれ、最後Hポールが立っている場所がゴールラインになります。
22メートルラインとは、「あとトライまで22メートルしかないよ」という言わば「危険地帯に入った事」を示すラインであり、このラインの内と外とでルールが違ってるのです。
22メートルラインの内側から蹴ったボールは、どんなボールであれ、ボールがタッチラインを割った地点でのラインアウトでのリスタートとなります。
ノーバウンドでも外に出た場所から試合再開となるため、100%パワーを振り絞りボールを蹴りだす事が出来ます。
対して、下記イラストのように22メートルラインの外側(赤線上)から蹴ったボールは、「一度地面にバウンドしない限り」蹴った地点まで戻されてしまうのです。
「地面にバウンドせず=ダイレクト」タッチを割る、即ち「ダイレクトタッチ」となります。ダイレクトタッチになれば、蹴った場所まで戻されてしまいます。
ココに注意
ただし、ペナルティキックの場合はこれに相当せず、どんなキックであってもボールがタッチを割った地点からラインアウトで再開します。
自陣22m内とは異なり力の調整が蹴る角度が難しくなります。
キックの目的はもちろん、リスク回避です。自陣ゴール前でのパスミス、攻撃を仕掛けて無駄に消耗する体力を減らさないためにもキックで陣地を稼ぎます
そんなプレーの攻防の中でおきたダイレクトタッチ、正直 超~最悪です。
陣地を回復出来ないばかりか、押し戻され、しかも敵ボールラインアウトからのリスタートです。逆に相手チームからすると労せずして陣地とラインアウト権を取れるので、一気にビッグチャンスとなります。
新ルール 50:22
2021年からの新ルールにて50:22という新ルールが適用されました。このルールにより、今までは必ず相手ボールの試合再開となっていたタッチキックが、条件により蹴りだした側のボールで試合再開となりました。
その条件とは、”自陣からキックしたボールがワンバウンド以上して相手陣地22m内のタッチの外に出す事”が条件となります。↓↓
このキックが成功すれば、ペナルティーキックからのタッチキックでなくても、いっきに敵陣ゴール前まで攻め入る事が出来ます。
【まとめ】