ラグビーQ&A

サッカーよりラグビー面白いと感じるのはなぜか?

2019年に日本ワールドカップが開催され、これまでラグビーを見た事がなかった人もラグビーを好きになってくれたようだ。

一部のファンからは、「サッカーの試合よりも全然面白い!」との声も多数あり、SNSでも盛り上がりを見せた。しかし、なぜラグビーの方が面白いと感じたのだろうか。

 

ラグビー 対 サッカー 面白いのはラグビー!

ラグビーもサッカーも共にイギリスがルーツと言われている。

ラグビーの場合は「ラグビー高のエリス少年」の伝説が示すとおり、サッカーを元としているのは明らかと言っていい。

(エリス少年の伝説とは、サッカーの試合中に突然一人の少年がボールを手に持って相手ゴールを目指したという伝説であり、これがラグビーのルーツと言われている。この伝説を元に、一時期ワールドカップの優勝杯にはウィリアム・ウェッブ・エリス杯という名前が付けられていた)

ラグビーとサッカーでどちらが世界的に人気があるか、これは一目瞭然で誰に聞いても「サッカーである」と答えるであろう。

一概に「人気の比較」とはならないが、例えば競技人口を見ても一目瞭然でサッカーの方が多い。サッカーは総務省のデータ(FIFA公式数値であるらしい)によると全世界で約2億6千万人。

対してラグビーは約2000万人と言われている。これだけでも圧倒的な差だが、そもそもラグビーの競技人口については各調査機関で人数もバラついており、そもそもまともなデータが無いのではないか?と思えるぐらいである。

何故サッカーの方が全世界で広く受け入れられているのだろうか?

その理由は様々あるだろうが、まず一つ目に思い浮かぶのは「プレーをする事に対する抵抗心の低さ」があげられると言えよう。

サッカーを見ていて「スゲー」と思うシーンのまず第一はシュートシーンであると言えよう。変化をつけたバナナシュート、華麗なボレーシュート、アクロバティックなオーバーヘッドシュート等である。

対して、ラグビーを見ていて「スゲー」と思うのは大抵肉体のぶつかり合いであろう。ド派手なタックル、大男がいとも簡単に吹っ飛ばされるシーン、これらを見て「人は「スゲー」と思うのである。

この二つを比べてみて「真似したい」「真似出来るかも」と思うのがどちらであるかは明白である。どちらも経験した事の無い人間がふざけてボレーシュートを真似する事はあっても、ハードタックルを真似した等と言う話は聞いた事が無い。

次に「ルールの複雑さ」が上げられる。ラグビーは良く言われる事だがルールが複雑で覚えづらい。反則の数も多く、その一つ一つがとっつきにくい専門用語で語られる。対してサッカーは「ハンド」「オフサイド」等判り易い言葉で語られ、かつその反則も単純明快である。

最後に「プレーの専門性」も上げられるだろう。先に記述したとおり、サッカーは例え素人でも「ドリブルの真似事」「シュートの真似事」は出来るし、何だったら一人でも出来る。

対してラグビーの「スクラムの真似事」「ラインアウトの真似事」は簡単に出来るものではないし、一人では絶対に出来ない。

出来るとしたら、2015年ワールドカップで五郎丸ポーズ注目を浴びた、プレースキックくらいだろう。しかし、このキックもHポールが無いと盛り上がらないため小学校の校庭では楽しめない。

1つ言える事は、「俺もやってみたい!」と思わせ、しかも「直ぐに挑戦出来る」というのがサッカーの面白さの醍醐味であり、逆に「俺には出来ない。むしろ出来る環境もない。」と思わせてしまうプレー特性(激しさや珍しさ)なのがラグビーの特徴だ。

ラグビーは上手くなくても試合に出場できる。

 

ラグビーのポジション フォワード

そして、ラグビーとサッカーの違いにおける最大の特徴が、試合に出場できる選手の能力にある。

サッカーというスポーツは、ロナウドやメッシなど超スター選手の映像を見てどう感じるだろうか?

繊細なボールタッチでパスやドリブルを行い華麗にシュートを決める彼らをみて、何と言葉に発してしまうだろうか?恐らく、

上手い!上手すぎる!
となるだろう。

基本的に、サッカーは上手くなければ試合に出場する事は出来ない。パスも出来ない、キックも蹴れない選手がレギュラーになり試合で活躍するのは不可能なのである。

一方で、ラグビーは違う。

パスが出来なくても、キックが蹴れなくても、特出したスキルがあれば試合に出場できるのがラグビーだ。

特出したスキル例

・足がめちゃくちゃ速い

・ボールを持って走ると強くて倒れない

・卓越したタックルスキル

・スクラムが超絶強い。

 

一番良い例は、スクラムを組むプロップの選手が良い例だろう。背番号1番と3番の選手だ。

もしこの選手が、マイボールのスクラムでは絶対に押されない、相手ボールのスクラムの時は必ず押し返す。

という凄い選手であれば、パススキルが小学1年生のレベルであっても、間違いなく試合に出場する事になる。それほどまでにラグビーというスポーツは、ポジションの特性に応じた洗練されたスキルが要求される。

もちろん、スタンドオフ(10番)やセンター(12番)の選手で、パスが下手であればレギュラーとして試合に出場するのは難しい。

1つ1つのポジションの強みがはっきりしているのもラグビーのおもしろさ・醍醐味なのかもしれない。

しかし一方で、ラグビーと似たようなボールを使うスポーツが人気の国では、ラグビーはTV放送もされなかったようだ。

アメリカではあのスポーツが一番!ラグビーは見ない。

ことアメリカに置いてはアメフトは不動の人気であり、ラグビーとは比べ物にならないぐらいの人気スポーツである。

アメリカ四大スポーツと言われるベースボール、バスケットボール、アイスホッケーと比べてもダントツの人気を誇り、視聴率が下がり続けてるとは言え2019年もスーパーボウルの視聴率は全米で41%を超えた。

41%で「下がった」とは、驚異的な数字である。対してラグビーはどうかと言うと、2019年のワールドカップを米テレビ局のどこもライブ放送しなかったというお寒い状況である。

どちらも肉体を駆使してぶつかり合うスポーツでありながら、何故これほどまでに差がつくのであろうか。

細かいルールの違いはあるものの、どちらも激しいコンタクトスポーツであるという事に代わりは無く、陣取り合戦の要素も変わりはない。

やはりアメリカでアメフトが絶大な人気を誇っている第一の理由は「アメリカ生まれのスポーツであり、幼い頃からアメリカ人が慣れ親しんだスポーツである」事が第一の理由として挙げられるのでないだろうか。

もちろん、それにあぐらをかく事なく人気維持に努めてきたアメフト協会の努力は見過ごす事は出来ない。どういった努力をしてきたかと言うと、その筆頭に上げられるのがNFLの哲学でもある「Parity(戦力均衡)」である。

NFLは「スポーツの魅力とは最高のレベルで戦力の均衡したチームが繰り広げる競争状態である」という明確な哲学を持ち、この哲学の元「戦力均衡」を推し進めている。

この哲学のおかげで、日本のプロ野球における巨人の9連覇のような事は起きていない。もちろん「黄金時代」は存在するが、スーパーボウルで三連覇したチームが無いという事からも「戦力均衡」が図れていると言えよう。

更に言えば、アメフトと言うスポーツは「大逆転」「番狂わせ」が起こる可能性がラグビーよりも高い。

ラグビーはフォワードの強さがものを言い、フォワードが強い方が勝つ。相手と競り合ってボール獲得を行うという役割を担うのはフォワードであり、フォワードが弱いという事は即ち攻撃権を得るチャンスが少ないという事と同意義だからだ。

アメフトは「四回まで」と攻撃権が限られており、攻撃に失敗する(=得点を上げられない)と自動的に相手に攻撃権が移る。つまり、弱いチームでも耐えしのげばいつかは攻撃権を貰え、そこから戦術の妙を尽くせば得点を上げる事の可能なスポーツなのだ。

「Parity(戦力均衡)」という哲学と、「大逆転」「番狂わせ」を生み出す事の出来るルール。この二つがアメフトというスポーツの面白さの源では無いだろうか。

 

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