ラグビーQ&A

ラグビーのノットテンメートルとはどんなルール?

ラグビーの反則の一つである「ノットテンメートル」について紹介したい。この、「ノットテンメートル」は2つの反則を意味する。しかも、よく見る反則なのでしっかりと理解しておきたい。

目次

しっかり下がれ!

プレー中に反則があった場合、反則を犯したチームは反則を犯した地点から10メートル下がらなければいけない、というルールがあり、これを怠って10メートル下がらなかった場合「ノットテンメートル」が宣告される。

反則を犯した地点=リスタート地点という事になるので、攻撃側は労せずして10メートルのアドバンテージを貰える事になる。

このノットテンメートル、時代によって諸々変化している。

かつてはレフェリーがペナルティを宣告した後、攻撃側は「いつでも(つまり自分のタイミングで)」リスタートを仕掛ける事が可能であった。

これを利用し、相手が10メートル下がらないうちにいわゆる「※チョン蹴り」をしてプレーを再開、わざとノットテンメートル地点に居る相手に突進して連続ペナルティを貰い、更に陣地を前に進めて連続攻撃を仕掛けるという戦術を選択する事が出来た。

※チョン蹴りが分からない人はこちらを19秒~

 

今では原則として2回目以降のノットテンメートルの反則は「きちんと10メートル下がった事」をレフェリーが確認し、それからリスタートの笛を吹くルールとなっているので、かつてのような「連続攻撃」は出来ない事になっている。

ラグビーは良く「紳士のスポーツ」と言われるが、このノットテンメートルはその「紳士のスポーツ」を良く体言しているルールの一つと言えるだろう。

遥か昔のイギリスのラグビー少年の詩に「オフサイドをして勝つぐらいなら負けた方がマシだ」という一節があったという。

オフサイドした事が、レフェリーに分からなければの話だが。

このノットテンメートルの反則を犯すと、10メートルもディフェンスラインを自陣側に下げられてしまう。

つまり、ノットテンメートルの元々の精神とは「ペナルティを犯した事を素直に認め」言わばラグビーに対して紳士かつ真摯である事をプレーヤーに要請しているペナルティの一つであるように思う。

また、ペナルティを犯した側は素直にかつ迅速に10メートル戻り、その時間の中で今一度冷静さを取り戻して次の準備を行う。この時に戻りながら会話を交わしている場面を稀に見かける。

ペナルティを犯した人間をなじるような事は決してなく、「(ボールを)取り返そう!」の一言や「マーク確認!」等の戦術再確認の会話が交わされている。

テレビではなかなかここまでの音声は拾えないが、試合会場でこれらの肉声を直に聞いてみては如何だろうか。

キックの蹴りそこないによるのノットテンメートル

そして、もう1つのノットテンメートルが蹴りそこないだ。

フォワードの選手からしてみれば、「おいっーー。。」とつっい込みたくなる残念な反則。

見ている監督からしてみれば、「お前のキックのせいで流れが変わったな」と言ってしまうのも分からなくない。

ハーフウェイラインの両隣にある線を10メートルラインという。

 

 

キックオフやトライ後のキックスタート時、相手陣地にボールを蹴り込む際はこの10メートルラインを越えるのがルールとなっている。

蹴る場所が近すぎると、イーブン(蹴ったチームが有利)ではないため、10メートルラインを超える必要があるのだ。

しかし、ミスキックをしてしまう。。これはスーパースターの選手でもやってしまう時がある。

 

 

このミスキックをしてしまっ場合、ハーフウェイライン真ん中から相手ボールスクラムか、ボールが落ちた場所(平行線上)からのラインアウトでリスタートとなる。

まとめ

アタック側にもディフェンス側にも設定されている”ノートテンメートル”というラグビー用語。

キックオフからのノットテンメートルは、大人の試合ではあまり見る事はないが、中高生の試合では見かけることは多いだろう。

一方で、ディフェンス側のノットテンメートルについてはあまり見られない。近年、あきらかにノットテンメートルの状況でタックルに入ってしまうとシンビンを取られてしまう可能性がある。

そのため、ディフェンスの選手も意識して注意している。

 

ラグビーのビデオ判定 TMOとは? 誰のためのルールなのか?

球技スポーツでは、浸透しつつある、ビデオ判定。 試合中のビデオ判定が何のために行われているのか?本当に必要なツールなのか?このページでは、TMOのメリット・デメリットを踏まえながら紹介したい。TMOに ...

続きを見る

 

-ラグビーQ&A
-