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ラグビー オフロードパスとは? どんな技?

このページでは、2019年ワールドカップでの日本の大躍進があり、ようやく日本で浸透してきたオフロードパスについて紹介していきたい。

 

オフロードパスと日本ラグビー

 2019ワールドカップのハイライトシーンで何回も放映された、日本代表とスコットランド代表選での、3回つないだオフロードパスからゴール中央に豪快に飛び込んだプロップの稲垣啓太選手のトライは、稲垣選手の代表初トライというおまけを付けて「オフロードパス」という言葉を注目させることになった。

 オフロードパスとは簡単に言えば「タックルを受けて倒れながら繋いでいくパス」といえるが、相手チームディフェンスの陣形が整う前にアタックを仕掛けることが出来パス。

 

チャンスを広げるのに大変有効なプレーであるが、選手の強いフィジカルと高い技術、味方のサポートする選手のコースやキャッチング能力が必要となってくるため、失敗すると一機に相手にボールを奪われピンチを招くこともある大変リスキーなプレーである。

 

これはある名門高校の話であるが、大変オフロードパスが得意な新入生がいたが、パスを受ける選手のスキルがついていけずノックオンや後逸などマイナス面が多く、結局監督はこの新入生にオフロードパスを禁ずることとなった。(その新入生は後に高校日本代表に選出され、名門大学のレギュラーにもなった。)

 

実際前代表ヘッドコーチ(以下HC)エディー・ジョーンズ時代にはこのオフロードパスは基本的に禁止されていた。


エディージョンズ氏

しかしジェイミー・ジョセフHC体制からオフロードパスを取り入れるようになり(もちろん長期に渡るハードな合宿により、フィジカルと信頼感の向上があったからであろうが。)多くのオフロードパスでゲインをする場面が見られた。

 

 

 この「オフロードパス」という言葉が、いろいろなメディアで取り上げられるようになったのは2011ワールドカップのころ、ニュージーランド代表の人気プレーヤー、センターのソニー=ビル・ウイリアムスの得意プレーとして紹介されたことであろう。

 

ただこれは手足の長い外国人に有利なプレーというとらえ方で、日本ではあまり受け入れられなかった。

 

まして日本ではパスされた球がミスにつながった場合はパスした選手の責任という考えがあり、高かったり、低かったり、強かったり、回転がぐちゃぐちゃのパスは「思いやりのないパス」、パスを受けた選手がそのままタックルを食らってしまうようなパスは物騒にも「殺人パス」などと呼ばれたものである。

 

だが世界のゲームを見ると(特にフランス)、日本の指導者が顔を真っ赤にして怒りそうな、片手でのオーバーヘッドパス。

 

背面パス、ワンバウンドパス、真後ろに放り投げるだけのノールックパスが行われ、しかもそれが次々にフォローワーに繋がっていく。それは根本的にパスの成否は受け手の判断と技術であるという考えであろう。

 

しかし日本にもオフロードパスと概念を共にするプレーがあった。それは「タックルを入れながらするパス、タックルに乗りながらするパス」というプレーである。

 

これはボールを抱えるのでなく(正面から当たるのではなく)両手でしっかり持ち、意図的にタックルを入れながらボールを放るものである。

ソース

タックルに乗れば体は半歩でも前方に向かうし、パスの受け手のコース取りで相手デフェンスとすれ違ったり、ずらすことも出来る。(そのタイミングを合わせる練習は厳しいが。)

 

もしもの場合はパスを離さずポイントを作ることもできる。これはどちらかというと体格に恵まれないチームが行うことが多いプレーであるが、まさに「肉を斬らせて骨を断つ。」といった感のある大変勇気の必要なプレーである。

 

ただかつては人を止めるという目的で、腰から下に入るタックルが主流だったが、現在はボールの動きを止める多彩なタックルが主流となっているためこのプレーはあまり行われていない。

 

ただ当時の日本ラグビーの「接近・展開・連続」という大骨格に則した日本ラグビーらしいプレーであった。

 

しかし、時は変わり、ルールが変わり、戦術が変わった近代ラグビーにおいて、勝利するためにオフロードパスは必要なスキルとなっている。

 

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