ラグビーといえば、激しいフィジカルコンタクトと戦略性が魅力のスポーツです。その中でも特に注目されるのが「スクラム」です。
スクラムは試合の重要な局面で行われるプレーで、その結果は試合の流れを左右します。

この記事では、スクラムの基礎知識からルールや歴史まで説明いたしますので、試合観戦の楽しみを一層増すための一助となることでしょう。
1章:「ラグビー初心者必見!スクラムの基本知識とその重要性」
まずは、スクラムの基礎知識についてお伝えいたします。
「ラグビーの魅力を深掘り:スクラムとは何か?」
ラグビーは、世界中で愛されているスポーツであり、その魅力はプレーヤーの力強さ、戦略的なプレー、そしてチームワークの必要性にあります。
特に、「スクラム」と呼ばれるプレーは、その象徴的な瞬間であり、ラグビーのエキサイティングさと独特な魅力を象徴しています。
スクラムとは、ラグビーにおいて反則やプレー継続不可により止まったプレーを再開するための形式の一つです。8人のフォワード(前列プレーヤー)が互いに組み合い、ボールを争うために一体となる瞬間です。
15人制の場合はフォワードのフロントロー(左右プロップ・フッカー)3人、セカンドロー(左右ロック)2人、バックロー(左右フランカー・NO8)3人の8人で組みます。
スクラムになる反則
- スローフォワード(ボールを前に出す反則)
- ノックオン(ボールを前に落とす反則)
- モール・ラックなどの密集状態からボールが出ない状態(パイルアップ)
- フリーキック・ペナルティーなどの重い反則からスクラムを選択した場合
- ごくまれにボールが破裂した場合
この時、各チームは力と技術を駆使して相手チームを押し返し、ボールを自チームのスクラムハーフ(通常は背番号9の選手)に渡すことを目指します。

また、スクラムはラグビーの戦略的な部分を示しています。スクラムの位置や形成方法は、次のプレーの方向や戦略を大きく左右します。そのため、スクラムは単なる再開プレーではなく、試合の流れを制御する重要なツールとなるのです。
さらに詳しく
例えば、どこのチームもトライサインと呼ばれるスーパーサインプレーをスクラムで準備しています。
スクラムは、ラグビーの魅力を凝縮したプレーと言えます。
力強さと繊細さ、個の技術とチームワーク、そして戦略性が一体となるスクラムは、ラグビー観戦の大きな楽しみの一つであり、その魅力を深く理解することで、ラグビーの世界がさらに広がることでしょう。
「ラグビーの戦略:スクラムの重要性とその役割」
ラグビーは力強さだけでなく、戦術的な要素も非常に重要なスポーツです。その中でも、「スクラム」は試合の流れを大きく左右する戦略的な要素であり、試合の鍵を握る存在とも言えます。
まず、スクラムはプレー再開のための手段であると同時に、フィールド上での戦略的な位置取りを左右します。スクラムがどこで形成されるかによって、次のプレーの展開やチームの攻防が大きく変わるからです。
フィールドの中央でスクラムが形成された場合、攻撃側はどちらのサイドにボールを出すかを選ぶことができ、防御側はその選択に対応しなければなりません。

一方、フィールドの端でスクラムが形成された場合、攻撃の選択肢は限られますが、広いスペースを使ったサインプレーは得点シーンも多いです。
スクラムからのサインプレーはラグビーの見どころの1つでもあります。華麗に軽やかにパスをつなぎトライゾーンにボールを運ぶバックス(9番~15番)の洗練されたスキルはファンを魅了します。
<サインプレー動画↓>
スクラムは「セットプレー」の一つであり、計画的なプレーを展開するための基盤となります。スクラムからのプレーは事前にチームで練習を重ねて決められた動きが多く、成功すれば確実に前進や得点につながる可能性があります。
さらに、スクラムは精神的な優位性を確立するための舞台でもあります。スクラムで相手を圧倒することは、相手チームに大きなプレッシャーを与え、自チームのモラルを高めます。
また、スクラムでの優位性が続けば、審判の判断にも影響を与えることがあります。
これらの要素から、スクラムは単にボールを再開するための手段ではなく、戦略的な要素を含む重要なプレーと言えます。スクラムの戦略を理解することで、ラグビーの深層をより理解し、試合観戦の楽しみを一層増すことができるでしょう。
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2章:「ラグビーのスクラムコール:掛け声の意味と見どころ」
ではスクラムのコール・掛け声について解説していきます。知らないと試合中のコールも聞こえにくいかと思いますが、次に試合を見るときは、はっきりとレフリーのコールが聞こえてくるはずです。
「ラグビーのスクラムコール解説:掛け声の意味とは?」
ラグビーのスクラムでは、「コール」または掛け声がとても重要な要素となります。この掛け声は、スクラムが正しく、また安全に進行するための合図であり、レフリーとプレイヤー間のコミュニケーションツールとなっています。
スクラムを組む時のレフリーの掛け声は「クラウチ」(crouch)→「バインド」(bind)→「セット」(set)で構成されます。
これを直訳すると
「クラウチ」⇒「かがむ、しゃがむ」
「バインド」⇒「結びつく」
「セット」⇒「組む」という意味になります。
クラウチ
まず、「クラウチ」でフロントロー3人が腰を落とし、背中がグラウンドと平行になるまでかがみます。
バインド
次に、両サイドのプロップが外側の腕で相手側のプロップのジャージや腕を掴みます。この段階でお互いのフロントロー同士は接近し、スクラムを組む準備が完了します。
セット
最後に、「セット」の掛け声でお互いのフロントロー同士が当たり合いスクラムが開始され、スクラムハーフのボールの投入により押し合い・ボールの争奪戦が開始される。
このように、スクラムの掛け声はラグビーの試合において、プレイの安全性と公正さを保つための重要な役割を果たしています。それぞれのコマンドが正確に実行されることで、ラグビーの試合は公平で安全な形で進行することができます。
掛け声の一つ一つが、スクラムの形成と進行における各ステップを示していることを理解すると、ラグビーのスクラムが単なる力比べではなく、戦略とテクニック、そしてチームワークが重要な要素であることがより明確になるでしょう。
これがスクラムの一連の流れだが、この掛け声は現行の形になる前
①「クラウチ」→「アンド、ホールド」(and hold)→「エンゲージ」(engage)
②「クラウチ」→「タッチ」(touch)→「ポーズ」(pose)→「エンゲージ」
③「クラウチ」→「タッチ」→「セット」と何回か改正されています。
「アンド、ホールド」はクラウチの体勢を維持し続けること、「エンゲージ」は「婚約」という訳がポピュラーですが「交戦する、戦闘する」との意味があり、プロップが組み合うための号令です。
「タッチ」はそれぞれのプロップ同士がお互いの肩をタッチするということ、これはタッチすることによりお互いの距離が近くなり、組み合った時の衝撃を軽減させるためのものであります。
「ポーズ」は「中止・休止」の訳でも分かるように、これも体勢を維持することだが「体勢を維持し続けるのが難しい。」という選手サイドの意見や、時間を短縮するための理由で無くすことになりました
「初めてのラグビー観戦!スクラムの見どころと楽しみ方」
ラグビーの試合を観戦する際、最もエキサイティングな瞬間の一つがスクラムです。しかし、初めてラグビーを観る人にとっては、スクラムの意味や見どころを理解するのは難しいかもしれません。そこで今回は、初めてのラグビー観戦者がスクラムの見どころを楽しむためのポイントをお伝えいたします。

是非覚えておいてほしいシチュエーションが、ファーストスクラムになります。
解説
ファーストスクラムとは、試合の一番最初のスクラムのことを言います。このファーストスクラムの組み具合により、試合の勝敗が予想できるといっても過言ではありません。
もし、応援しているチームのマイボールスクラムで相手に押されてしまうようなことがあれば、厳しい試合になるかもしれません。
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3章:「スクラムの歴史とその進化」
その昔、スクラムはどのような組み方をしていたのか、またスクラムに関するエピソードを紹介します。
スクラムは早いもの勝ち

当時のフッカーの役目として、いち早くスクラムとなるポイントに到着し、相手チームより有利となるよう素早くバインディング(パックと呼ばれていた。)を固め、スクラムの姿勢を取ることが求められました。
この時代の映像を見ると相手との距離もかなりあり、まだバインディングが整わない状態での当たりも多く、スクラムが崩れることもありました。

またプロップは空いた手を膝の上に置くスタイルが主流であり、バインドもお互いを支え合うというより、絞ったり揺さぶったりするためのものであり、そのためジャージを掴まれることを嫌い、ノースリーブのようにジャージの袖を切り落とすプレーヤーもいました。
スクラムコールは選手の気持ちを抑える役割も?
レフリーがスクラムをコントロールするということは、組み合う時の衝撃を緩和して、グレーゾーンのプレーにフラストレーションがたまった選手の小競り合いを防止することにも役立っています。
ココがポイント
そしてこのことで言えることは「スクラムが強いチームが勝つ。」ということ
ただここに言う「強い」とは、決して体が大きく体重があるとか、腕力があるとかではない。鋭い当たりで膝を低くした姿勢を保ちフォワード8人が強固なバインディングで1つの塊になることです。
2019ラグビーワールドカップの日本vsアイルランド戦では、体の小さい日本代表が強豪アイルランドのスクラムを押し切った。印象的だったこのプレーはチームにも、そしてそれを見ていたサポーター達にも勇気を与えてくれました。
このようにスクラムはラグビーのチーム力をも現すプレーであり、試合に勝ってもスクラムで敗れると、素直に喜ばない選手もいます。
それだけにファースト・スクラム(試合で最初のスクラム)には、相手チームの力を量るためにも、自チームの力を示すためにも全力で兆みます。
数年前の大学選手権の決勝で、お互いにいきり立ってなかなかファースト・スクラムが組めない状態の時、ピンマイクを通じたレフリーの声が記憶に残ります。

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最後に
いかがでしたでしょうか。スクラムコールは、スクラムの開始タイミングを整えるための合図です。
レフリーの「Crouch(クラウチ)」、「Bind(バインド)」、「Set(セット)」のコールに合わせて、プレイヤーたちは一連の動作を行います。
これらのコールと動作は、全員が同時に行うことで、チーム全体が一体となり、力を最大限に発揮することを可能にします。

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