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ラグビーQ&A

ラグビーを楽しむため初心者が知っておくきたいルールと用語

ラグビー・ワールドカップ(RWC)2019が、ここ日本で開催され、世界中から注目され日本国民にも認知されるようになった。

これを機に初めてラグビーという競技を観戦する人も多いと思われるが、その中には「ラグビーはルールが複雑で分かり辛い。」という声を良く聞く。

その一方で「ルールは良く分からなくても、肉弾戦とスピード感、そしてあの必死さががたまらない。」という感想もある。

確かにラグビーはルールが難しいが、基本さえ理解しておけば観戦は楽しめるはずである。そこで基本中の基本を説明したい。(ここでは15人制ラグビーを想定している。)

基本は陣取りゲーム

大まかに言ってラグビーは「陣取りゲーム」であり、1つの楕円球のボールを2つのチームが奪い合い、持って走り、パス・キックなどの手段を用いて敵陣に攻め込み、インゴールと呼ばれるスペースにタッチする事により得点が認められる。

これが「トライ」と呼ばれる得点のひとつであり、両チームの選手達は、このトライを奪うために体をぶつけ合い、ボールを奪い合うという攻防を繰り広げるのである。

そしてラグビーの大きな特徴として、パスは自分より前方に放れない、即ち自分の後方の選手にしか放れないという事が挙げられる。またアメフトと違いタックルに入れるのはボールを持った選手だけである。

グラウンドの広さはサッカーと同じくらい

グラウンドは上図のとおりであるが、各ラインの名称にはルール上の規定があり、ラインの幅に特に規定はないが、8cm~10cmが主である。

またオンラインはインフィールドではなく、タッチラインはタッチであり、ゴールラインはインゴールである。またインゴールは10m~22mと差が大きいが、今回のRWCは10mで統一される。これは各グラウンドでの不公平さを防ぐ意味合いがある。

ただインゴールの広い、高校ラグビーの聖地花園ラグビー場では、インゴールで数多くのドラマが生まれている。

得点の種類

得点の種類 方   法 得点
トライ 敵地のインゴールにボールを持ち込んだプレーヤーがが体に触れた状態でボールを接地すること。 5点
ペナルティトライ 相手チームの反則が無ければ、ほぼトライが取れていたと認められ特に与えられる。 ※7点
コンバージョンゴール トライを決めた後、トライしたチームが、トライ地点の延長線上からゴールキックを成功させた場合 2点
ペナルティゴール 相手チームの反則に対し与えられるキックで、ゴールキックを成功させた場合 3点
ドロップゴール 通常のプレー中にドロップキック(地面でバウンドさせたボールを蹴ること)でゴールキックを成功させた場合 3点

 

※以前はトライ後に、正面よりコンバージョンゴールを狙っていたが2017年度より試験的にこのルールが取り入れられている。

RWCやスーパーラグビー(SR)・日本のトップリーグ(TL)の予選リーグではトライに対してボーナス点が付くことが多いが、サドンデスとなる決勝トーナメントでは、ペナルティーゴールやドロップゴールを狙うことが多くなる。

なお、トライという呼称は、ラグビーが始まったころにはトライ後のコンバージョンゴールが決まらなければ得点にならず、ゴールキックに挑戦(トライ)する機会が与えられたことに由来する。

試合時間はサッカーより少し短い40分ハーフ

ラグビーは前後半戦のハーフ制で行われ、それぞれ40分づつでその間のハーフタイム10分以内で行われる。(高校生は30分ハーフ・ハーフタイム5分)

またRWCや国際試合・SR・TL等はタイムキーパー制で行われる。タイムキーパー制とはレフリーとは別に時間管理を行う専門担当者を置き、レフリーと連動し、競技時間を明確にする制度である。

これだと表示の時計がインプレーの時間を表し、40分を過ぎるとホーン又はブザーが鳴る仕組みである。これに対し、従来のロスタイム制はレフリーが時計を止めるので、ロスタイムが曖昧になりがちだった。

そのため40分を過ぎてからレフリーが時計を見ると、競技場がざわついたり、笛が鳴るたびにため息が漏れるなど、逆にドラマチックな観もある。もっともホーンやブザーが鳴っても、プレーが切れるまでは試合終了とならないので、負けているチームの脅威の粘りを見る事も出来る。

また、ラグビーは基本的には延長戦はなく同得点の場合は引き分けとなる。ただ大会の規定によっては延長戦が設けられているものもある。RWCでもかつてイングランドが決勝の延長戦で、さよならドロップゴール決めるという劇的な場面があった。

競技人数とポジション

ラグビー ニュージーランド

ラグビーは1チーム15人(7人制もあるがここでは省略する。)で、怪我や故障、そして戦術的入れ替えのためリザーブが8名の合計23名であるが、同時にゲームに出れるのは15人までである。また1度交代した選手は、基本的には再出場はできない。

ポジション 背番号 説 明
FW PR(プロップ) 1・3 スクラムを最前列で組み、体重が重くがっしりした体型で、また直接相手と組み合うため、身体の筋力だけでなく首も太くて頑丈である。
HO(フッカー 2 プロップ同様最前列でスクラムを組むが、SHが投入したボールを足で掻きだすため、柔軟性と器用さもある。また、ラインアウトのスローワーを務めることが多い
LO(ロック) 4・5 ラインアウトでは、ジャンパーとして中心となるため、長身の選手が務める。またスクラムではプロップを押し込むため体重も必要となってくる。
FL(フランカー) 6・7 スクラムではサイドから押し込む。常にボールと絡んでいるため、強いタックルと走力が要求される。
No8(ナンバーエイト) 8 スクラムの最後尾からFWをリードする。体格とスピードと判断力を併せ持つ、攻守の要となるマルチプレーヤー。
BK SH(スクラムハーフ) 9 FWとBKのパイプ役として、速く長いパスワークに優れる。機敏性と判断力を持ち、小柄での充分に活躍できる。
SO(スタンドオフ) 10 BKの攻撃の起点として、ラン・パス・キックでコントロールする司令塔的な役割を持つ。キック力を生かしゴールキッカーを務めることも多い。
WTB(ウイング) 11・14 トライゲッターとしてチームの中で最もスピードがある選手が担うことが多い。高い運動量とステップワークを持つ。
CTB(センター) 12・13 BKの攻守の接点となることが多く、パス能力と、激しいディフェンスと突破力を持つ。、密集戦に参加することも多いので、強いフィジカルも要求される。
FB(フルバック 15 チームの最後尾でBK陣を統率し、防御ラインの最後の砦となる。高いキック力とハンドリング能力を持つ。

 

試合前選手が整列すると、太い人・細身の人・背が高い人・低い人と色々な体格の選手が見られる。

これがそれぞれのポジションの特徴を表しているが、近年のラグビーは、PRであってもフィールドプレーに秀で、HOがキックをして、LOの選手がロングパスを放り、BKプレーヤーが密集戦に素早く飛び込む。このように1番から15番まで、みんな同じような能力をみせる。

また6番はブラインドフランカー、7番はオープンサイドフランカーと呼ばることが多く、左右固定ではなく試合中常にポジションチェンジを行っている。また12番はインサイドセンター、13番はアウトサイドセンターと呼ばれ、これも左右の固定ではなくなっている。

そためインサイドセンターはSOと両方こなせる選手が増えている。PRも1番の左PRは、相手3番の右側に首を入れるためルーズヘッド・プロップ、3番の右PRを相手1番と2番の間に首を入れるためタイトヘッド・プロップと呼ばれる。また、日本では左LOを4番、右LOを5番にしているが、世界的には逆のことが多い。

反則に重い反則と軽い反則がある。

レフリーの笛が鳴るとプレーが止まり、色々な形でリスタートするが、これがよく分からないという人が多い。実はルール的にはかなり細かく規定されている部分が多いが、ここでは試合でよく見られる反則を挙げることとする。

まず軽い反則として、

スローフォワード→自分より前にボールを投げてしまう。

ノックオン→ボールがプレイヤーの手や胸に当たって前に落す

ノットストレート(ラインアウト投入時)→並んだチームの間にまっすぐボールが入らなかった場合。

 

これらは、相手ボールのスクラムで再開される。ノットストレートの場合は相手チーム選択により、ラインアウトから再開されることもある。

次にやや重い反則として

・アーリーエンゲージ→スクラムを組む際、レフリーの合図を待たず先に動いてしまった場合。

・ノットストレート(スクラム時)→スクラムの真ん中にボールが入らなかった場合。

これらは、相手チームにフリーキックの権利が与えられる。反則を犯したチームはその地点より10m後退しなければならない。相手チームの選択によりスクラムやラインアウトで再開することもある。

フリーキックから3点を狙う事は出来ない。

重い反則(ペナルティ)

オブストラクション→タックルしようとする相手をブロックしたり、ボールを持っていない相手を邪魔するような動きをした場合。

 

オフサイド→ボールを持った味方より前方にいるプレーヤーや、ラックやモールなどで形成されるオフサイドラインより前方にいるプレーヤーが、プレーに参加した場合。

・ハイタックル→首より上にタックルした場合。

・ノットリリースボール→タックルされた選手が、速やかにパスしたり、地面に置かずボールを放さなかった場合。

・オーバーザトップ→ラックなどで相手に出るはずのボールに飛び込み、攻撃を寸断した場合。

・ノットロールアウェイ→タックルをした選手は速やかにボール保持者を放して退かなければならないが、いつまでも相手を抱え込んでいる場合。

・ハンド→レフリーがラックになったと認めた後に、ラックの中にあるボールを手を使って外に出そうとした場合。

・コラプシング→モールやスクラムを故意に崩した場合。

これらは、相手チームにペナルティキックの権利が与えられる。反則を犯したチームはその地点より10m後退しなければならない。

相手チームの選択によりスクラムやラインアウトで再開することもある。また、危険なプレーをしたプレーヤーにはシン・ビン(10分間退場)が与えられることがある。

と、代表的な反則を挙げたが、実際これらは観客レベルでは大変分かりづらい。しかしながら、試合場では今の反則に対しアナウンスがあるし、TV観戦ではレフリーがマイクを装着しており、反則がイラストで解説されるので、用語を知っていれば納得がいくであろう。

試合の見どころ

もちろんラグビーの華はトライであることは間違いのないところである。ディフェンスラインのギャップを突いたり、ミスマッチ(アタック側とデフェンス側のポジションの違い。)を作ったり、

バックホイップパスのような大技を使ったりして挙げたトライは華麗であり、パスは前に放れないのを、逆手に取ったようなキックパス(ゴール前でSOからWTBに直接蹴り込むパターンが多い。)も最近のラグビーではなじみ深いプレーである。

そして何と言っても強烈なタックルからのターンオーバー(相手ボールを奪うこと。)や、相手のキックしたボールをキャッチしたカウントアタックのように、アンストラクチャーな場面(陣形の整っていない場面)からの、状況に応じた選手個々の判断力とスピード溢れるプレーを見るのも胸躍るものである。

しかしながら近代ラグビーにおいては、ディフェンス理論が発達し、大きな力の差が無い限り沢山のトライシーンは見ることが出来ないのが現実である。

しかし毎年進むルール改正により、攻撃を継続する側が有利になっているのもまた事実である。そのため先に挙げたペナルティキックの選択肢として、時間帯、得点差(リーグ戦におけるトライ数、得失点差等も)で着々と変わっていく。

そのため、ペナルティゴールを狙わずタッチに出し、そのモールからトライを狙ったり、敢えてスクラムを選択し、FWのプライドを賭けての力較べに持ち込んだりする。

(この選択で相手FWを押し切ることが出来れば、精神的にもかなり優位となり、スクラムの重要さを再認識することとなる。)そしてデフェンス側としては、ペナルティを犯さないよう規律を守り、粘り強いタックルを繰り返し、ターンオーバーを狙う。

この駆け引きと、相手のオフロードパス(タックルを受けながらのパス。)を防ぐためのダブルタックル(1人が足元に、1人がボールにと2人がかりのタックル。)の激しさ。

またモールサイドをついた巨漢PRに小兵のSHが突き刺さるようなタックルを見舞う。このような攻防で、相手ボールを奪ったり、アタックを止めた時のプレーヤー達の雄叫びもまたラグビーの華である。

また、戦術的交代で入ってきた選手(インパクトプレーヤー)がどのようなプレーを見せるのかも興味をそそられる。そしてこのような中で、勝利を狙ったドロップゴールも、トーナメント戦には欠かせない飛び道具であり、決まった時に競技場に巻き起こる歓声はまさに嵐のようである。

このように僅かではあるがこれ位の知識があれば、競技場でもTVでもラグビー観戦に少しは役立つものであろう。そして、ラグビーというスポーツをもう少しカジュアルに捉えてらいたい。何故なら見ているだけで力を貰えるスポーツだからである。

 

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