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2019年6月、日本ラグビー会に激震が走った。
トップリーグに名を連ねるトヨタ自動車ヴェルブリッツ所属の二選手が麻薬取締法違反で逮捕されたのである。

 

トヨタ自動車ヴェルブリッツと言えば、前進のトヨタ自動車時代から日本選手権優勝三回を誇る名門チームである。

 

その名門チームからあろう事か、同時期に二名もの逮捕者を出してしまったのである。トヨタに限った問題ではなく、日本ラグビー会全体に多大なる悪影響を及ぼしてしまったと言っていい。

 

その不祥事から一年。トヨタ自動車ヴェルリッツは汚名返上の意味も込めて2021年シーズンは躍進を宿命付けられていると言っても過言ではないだろう。

 

トヨタと言えば伝統的に「快速バックス」の名手が思い浮かぶ。往年のファンには懐かしい名前であろう朽木英次や国定精豪。日本代表クラスでは初の帰化選手となったロペティ・オト等、今も色あせない伝説のプレーヤーが数多く在籍した。

 

そのロペティ・オトだが、現在は愛知県・春日丘高校で後進の指導に当たっている。この春日丘高校出身の注目プレーヤー、それが姫野和樹だ。

 

昨年のワールドカップで一躍ヒーローとなった姫野和樹は春日丘高校から帝京大学を経て2017年度よりトヨタ自動車ヴェルリッツに所属187cm112cmと近代ラグビーでは特筆する程大柄ではないが、卓越したボディバランスを誇る選手である。

 

姫野の武器はワールドカップでも有名になった「ジャッカル」である。ジャッカルとは簡単に言うと「タックルを受けて倒れた直後の選手からボールをもぎ取る術」である。

 

これ、言葉ではなかなか説明しづらいのだが、通常タックルを受けて倒れた選手はすぐにボールを離して地面に置かなければならず、ボールを置いた瞬間に「ラック」が成立する。ラックが成立してしまうとプレーヤーは手を使う事は禁じられてしまう。

 

つまりジャッカルとは「タックルを受けた選手が倒れてボールを離すまでの数秒間」の間にボールをもぎ取ると言う、見た目以上に高度な技なのである。

 

当然ジャッカルを仕掛けようとする選手は敵選手の激しいプレッシャーに晒される。その中で「ジャッカル」を何度も成功させた姫野、これは彼のボディバランスが常人離れしている事を証明している。

 

彼のボディバランスはその突破力にも表れている。ワールドカップでのロシア戦、サモア戦等で彼が相手を切り裂いて突破する姿は日本を熱狂の渦に落とし込んだ。恐らく現在における日本最高のプレーヤーの一人であろう。

 

その姫野をもってしても、南アフリカ戦では徹底的なマークに会い、突破力を完全に封じ込められてしまった。南アフリカ戦の敗因の一つは「姫野のボディバランスが徹底的に封じ込められた事」であるのは疑いようが無い。

 

あれから一年。今シーズンの姫野は南アフリカ戦の悔しさと、所属チームの不祥事という二つを乗り越えて再びピッチに立つ。

 

二つの大きな出来事を乗り越えた26歳の若武者は今シーズン我々をどのようにワクワクさせてくれるのであろうか。今シーズンの姫野から目が離せない。

 

 

 

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