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タッチラグビーでラグビーを学ぶ

よくラグビーを言い表す言葉に「走る格闘技」とされることが多くある。激しい当たりやボールの争奪戦が、そのように呼ばれる由縁であろう。

 

しかしながらラグビーは紛れもなく球技である。それもある意味で大変制約の少ない球技である。

 

手や足を使ってボールを扱っても構わない。ボールを持って5歩以上走っても構わない。そしてボールを持っている相手に触れて止めても構わない。

 

しかしながらこのことが激しい肉弾戦となり、ラグビーというスポーツをプレーすることを遠ざけてしまっていることは事実である。(それがラグビーの大きな特徴で醍醐味ではあるのだが。)

 

そのタックルをタッチに置き換え、スクラム、モール、ラックなどいわゆるコンタクトプレーを取り払ったのが、タッチラグビーである。

 

タッチラグビーは1960年代にオーストラリアのラグビーリーグで選手のウォームアップ用に始まったとされている。

 

現在ではルールも確立され公式試合も行われているが、やはりウォームアップや、合宿前のレクレーション的な色合いが強い。

 

特に社会人チームやクラブチームなど、集合時間がばらばらで徐々にメンバーが揃っていくまでの体慣らしの意味で行われることが多く、

 

人数、試合時間、コートの広さや、プレー開始の仕方、タッチされた場合の対応、攻守交替するタッチの回数などはチーム事情により様々だが、

 

共通して行われているのは、当たらない、タッチは両手で行い(タックルに入るポジショニングが身につく。)強くタッチしない(危険防止とトラブル回避のため。)。

 

キックはしない、もちろんノックオン・スローフォワード・オフサイドは反則であり、ボールが地面についた場合も反則であることもある。

 

このように和気あいあいで行われるイメージのあるタッチラグビーであるが、かつて日本選手権(当時)で、前代未聞の7連覇を達成した新日鉄釜石(現・釜石シーウェイブス)は「北の鉄人」と呼ばれ、強力フォワードを全面に押し出し、日本ラグビー史上最高のスタンドオフと呼ばれた松尾雄治選手、

 

現在日本ラグビーフットボール協会会長のセンターの森重隆選手らがゲームコントロールするというイメージがあったが、実はイージーなパスミス・キャッングミスは犯さず、伝説の13人つなぎトライなどで見られるように、ハンドリングスキルも素晴らしいチームであった。

 

それは全体練習開始前に行うタッチラグビーの力が大きかったと言われている。パスの方向とタイミング、ディフェンスのポジションどり、ボールを受けるスピード、

 

そしてボールを受けるために、またディフェンスを指示するコーリング等、アタック側はオーバーラップ(人数で優位にたつこと)を狙い、ディフェンス側はそれをさせないという攻防の駆け引きは、ラグビーの球技としてのイメージを高め、

 

ハンドリングスキルを上げるために大変役に立ったはずである。そしてそれに強力なコンタクトプレーと、決して諦めないというメンタル面が備わったからこそ、あの後々まで語り継がれるチームが出来上がったのであろう。

 

ラグビーには色々なポジションがあるように、選手の中には足が速かったりり、切れのあるステップを踏んだり、パスが上手だったり、流れを読むのが得意だったりと色々な選手がいるが、

 

ごっつい体をした激しいコンタクトプレーが売り物の選手が、器用にパスをしたり、鋭いステップを踏んでチームメートから喝采を浴びることがある。

 

このようにタッチラグビーは、いろいろな個性を持った選手が横一列となってあの手この手とゴールラインを狙い、そしてそれを防ごうとするしのぎ合いである。決してウォーミングアップだけではなく、ラグビーの球技としての基本を学ぶことでもある。

 

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