ワールドカップ日本大会2019が開催されてから、今までラグビーを知らなかった人も、休日はビールを片手にTVの前でラグビー観戦する方が増えたようですね。
ただ、ラグビーのルールがあまり分からないという方が多いみたいです。特に、スクラムについての疑問は検索数を見ても非常に多いように感じられます。
「スクラムを組む意味が分からない!」「ノックオンした場所から、パス回せばいいのでは?」というようなルールに対しての改善要望ともとれる疑問もあがっています。
なので、このページでは、何故スクラムやノックオンをした時にスクラムを組む必要があるのか説明致していきます。
目次
ラグビー憲章からスクラムを組む意味を紐解く
ラグビーのルール規則において、大前提にあるのがラグビー憲章です。ラグビー憲章は”品位 情熱 結束 規律 尊重”の5つから成り立ちます。ラグビーを愛する人全の基本原則となりますが、この5つのラグビー憲章を簡単に説明しますと以下のようになります。
[ラグビー憲章
品位:誰からも尊敬される人
情熱:何事にも熱意を持って取り組める人
結束:仲間と信じあえる人
規律:決められたルールを守る人
尊重:ゲームに参加する人を尊重出来る人
さあ、あなたは幾つ当てはまりますか?何かにつまずいたり、不安になった時はこの5つの言葉を思い出し、問いかけてみると良いかもしれませんね。
「品位ある行動が出来ているか?」「熱意を持って取り組んでいるか?」「仲間と信じあえているか?」「決められたルールを守れているか?」「友達を尊重しているか?」上手く行かない時は、どれか1つかけているかもしれません。
ラグビー憲章についてもう少し詳しく知りたいという方には、村上晃一さんが書いた「ラグビーが教えてくれたこと」をお勧めします。
少し脱線してしまいましたが、この5つのラグビー憲章の中に「ラグビーの原則」が存在します。例えば、ラグビーの目的は以下のように記されています。
目的
ラグビーというゲームの目的は、競技規則、スポーツ精神、および、フェアプレーに則り、ボールを持って走り、パスやキック、また、グラウンディングをして、相手チームに対してできる限り多くの得点を挙げることである
そして、スクラムに関連するラグビーの原則は、「ボールの争奪と継続」になります。
ボールの争奪と継続
ボール獲得のための争奪は、ラグビーの重要な特徴の一つである。この争奪は、ゲーム中にいろいろな形で発生する
■ボールの争奪は、その前のプレーにおいてより優れていたスキルに報いるようにすることでバランスが維持されている。例えば、プレーを継続することができずボールをタッチに蹴り出さざるを得なかったチームは、ラインアウトでボールの投入をすることができない。
⇒解説:タッチラインの外にボールが出てしまった時は、サッカーやバスケットと同じ相手ボールからのリスタートになります。
■同様に、ボールを前に落としたり、前にパスしたりしたチームは、その後のスクラムでボールを投入することがない。従って、ボールを投入する側のチームが常に優位でなければならないのだが、ここでも再び、そういったプレーの中でも公平な争奪が行われることが重要である
⇒解説:スクラムにおいても、ノックオンをしていないチームがボールを投入します。スクラムは、公平な争奪戦を行う方法の1つなのです。ラグビーというスポーツでは、男と男が公平に体と体で押し合いボールを争奪しているのです。
では、ノックオンが発生した際の、レフェリングを「ラグビーの原則」織り込みバージョンにてお伝えいたします。
レフェリー:「ピッ―!ノックオン。ここまで攻撃を継続してきたけど、ボールを前に落としてしまいましたね。ラグビーの原則に則り、ボールを落とした場所から争奪戦を行ってください。
争奪戦は、体と体で押し合いましょう。ラグビー憲章の”結束”に基づき、集団(8人対8人)で力を合わせて押し合いましょう。また優位性を保つために、ボールの投入はノックオンをしなかったチームが行います。」
という分けでスクラムをわざわざ組んで試合を再開しているのですね。
理解出来ましたでしょうか。以下の質問形式もみてみましょう。
Q.スクラムを組むスポーツと言えば?
答えに来るスポーツは1つしか出てこないと思います。そうです。ラグビーというスポーツが1つ出てくるのではないでしょうか。ラグビーの原則には「独自性の維持」という項目も存在します。
そこには、「試合再開のすべてにおいて、ラグビーが持つ他にはない特徴を維持するためのものである。」と書かれています。
正にスクラムこそが、ラグビーというスポーツの特徴の1つであると考えます。
如何でしょうか。今まで、スクラムはなんの為に組むのか納得出来なかった人も、ラグビー憲章及びラグビーの原則を知る事で、少しは腹落ち出来なのではないでしょうか。
最後までご覧頂き有難うございました。
それでは、日本のアンストラグビーに酔いしれましょう。
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