ラグビーの試合で、フォワード(FW)の8人が押し合うスクラムについて解説します。このページを見た後は「何のためにスクラム組むの?」なんて疑問も抱くことは無くなるでしょう。
目次
ラグビーではなぜスクラムを組むの?
スクラムの定義として、ルールブックには下記のように記されています。
ココがポイント
スクラムの目的は 、軽度の反則あるいは競技の停止があった後 、早く 、安全に 、公平に試合を再開することである 。
まず、

と疑問に感じると思いますが、反則というよりかは、ラグビーのルール通りに自分たちの攻撃が出来なかったと理解したほうが良いでしょう。
相手のプレーの邪魔をするわけではなく、ノックオン(ボールを落とす)やスローフォワード(ボールを前に投げる)のミスをしてしまった際に、一度レフェリーが試合を止めます。
そして試合再開のリスタートではスクラムを組みます。
ノックオン
ラグビーでは味方からのパスをキャッチできずにボールを前に落としてしまうことがあります。これはノックオンという反則になりレフェリーが一度試合を止めます。
さらに詳しく
後ろに落としてしまうプレーはノックオンではありません。
スローフォワード
ラグビーでは、ボールを前にパスすることはできません。真横か後ろにパスを出さなければスローフォワードの反則を取られてしまいます。
スローフォワードは、タイミングも非常にきわどいプレーが多いので、

また、レフェリーも判断が難しいでしょう。
豆知識
なんと、トップレフェリーはボールが前に行く軌道ではなく、パスを出す選手の手の動きを見て判断しているみたいです。
モールやラックでボールが出てこない時もスクラム!
また、競技の停止があった場合というのは、モールやラックなどで複数の人間が絡みあったためにボールが出てこなかった場合などを指します。
この場合もレフェリーが試合続行不可能と判断した場合、1度試合を止めスクラムで試合再開します。
↓モールは下記画像のような絡みです。ラインアウトの時によく見る形ですね。
http://will-be-rugby.blogspot.jp/2015/01/blog-post.html
↓ラックは下記画像のようにタックルされて地面についたボールを奪い合う状況です。
https://rugbymania-noside.com/about_ruck/
大きな男たちが、密集で絡み合うため押しつぶされたボールが出てこない事があるんです。”ボールが出てこない”とレフェリー判断した場合に、笛を吹き試合を止めスクラムを組みます。
スクラムではボールを奪い返すこともできる
そして、スクラムのおもしろいところは、ボールを奪い返す事もできる点です。ミスして反則を犯してもまだまだ攻撃を継続するチャンスはあるのです。スクラムはフォワードの強さを測る指標でもあるため、スクラムが押される=フォワード負けてると言っても過言ではありません。
スクラムで前に出ることができれば、スクラムトライなんかも出来てしまうのです。
↓日本代表のスクラムトライ
スクラムにならない重度の反則とは?

としっくりこない方へ重度の反則について解説していきます。
スクラムにならない重度の反則とはペナルティーを指します。ペナルティーの定義は相手のプレーの邪魔をすると覚えていただければ大丈夫です。
・肩より上に危険なタックル⇒ハイタックル
・相手のパスを前にはたく⇒インテンショナルノックオン
・タックルされてもボールを放さない⇒ノットリリースザボール
上記の反則を犯してしまった時は、もちろんスクラムを選択することもできますが、3点が取れるゴールキックを狙ったりタッチにキックを蹴りだし大きく陣地を挽回することもできます。

と思われた方は以下の動画を確認ください。
スクラムを組む人は誰でもOK!
まずスクラムを組むプレイヤーは全部で8人います。基本的にフォワード(FW)の選手1番から8番で組みますが、「絶対に1番から8番で組まないとダメ!」というルールにはなっていません。
あの日本代表のトライゲッター ウイングの 松島幸太郎選手がスクラム組んでも反則ではないのです。
スタンドオフの10番が組んでもフルバックの15番が組んでも反則にはなりません。ただ基本的にスクラムを組むのは体が大きくパワフルなフォワード8人の仕事です。
1番から8番のポジションと役割を簡単に説明致します。
1番、3番:プロップ
スクラムの柱となる存在で一番前でスクラムを組む両端の2人です。ラグビー界の中でも数少ないポジションなので貴重な存在でもあります。
もし、ラグビーで就職したいのであれば、このプロップのポジションはおすすめです。
2番:フッカー
スクラム先頭の真ん中に立ち、スクラムの舵を取る選手です。リーダーが多いポジションでもあり。日本代表の堀江選手もフッカーです。
4番、5番:ロック
チームの中で身長が高いランキング1位、2位の2人がこのロックのポジションです。
ラインアウトなどのボールキャッチが、キープレーと思われがちですが、実はスクラムにおいてもロックの押しが超重要なのです。
ロックはプロップの1番、3番のお尻をプッシュしますが、ロックの強さ次第でスクラムの勝敗も決まってきます。
6番、7番:フランカー
フォワードの中でも、仕事人と呼ばれるポジションです。チームで一番タックルに行き、味方がタックルされれば一番最初に助けに来てくれのがこのフランカーです。
テンポよくボールが回るチームは、フランカーに素晴らしい選手がいる証です。
8番;ナンバー8
チーム1のボールキャリア(ボールを持って前に出る選手)としてチームを牽引します。スクラム最後尾に位置し、チームで1番強い男がこのナンバー8です。
まとめ
おさらいですが、相手に反則を犯すのではなく”ルール通りにプレーする事が出来なかった”際に、相手ボールからプレーを再開する方法としてスクラムを組みます。
逆も同じです。相手がボールを前に落としたり、前に投げたりとルール通りにプレーする事が出来なかった際は、マイボールのスクラムでリスタートします。
スクラムを組む理由がわかれば、応援しているチームの攻撃中に「ピッ!」とレフェリーが笛を吹き試合を止めスクラムになった時も
「えっ?何?何」と言ってしまう事もなくなるでしょう。
これからは、「何、大事な所でミスしてんだよっ!」とヤジっぽい声援に変わるかもしれません。
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