ラグビーと聞いて何を思い浮かべますか? チームワーク、力強さ、そして何より「スクラム」。
これらがラグビーの魅力と言えるでしょう。しかし、初めてラグビーを観戦すると、なぜプレイヤーたちはスクラムを組むのか、その理由やルールがわからず、試合の進行を追うのが難しく感じることもあるかもしれません。
この記事では、そんなラグビー初心者の方に向けて、スクラムの基礎知識から理由、そしてスクラムが試合にどのような影響を及ぼすのかまでを詳しく解説します。
これを読めば、あなたもラグビーの試合をもっと深く、そしてもっと楽しむことができるようになるでしょう。。
1章:「ラグビー初心者必見!スクラムの基礎知識」
ラグビーとは一体どんなスポーツなのでしょうか?そして、その中でも特に印象的な「スクラム」について理解するためにはどのような知識が必要なのでしょうか。
ラグビーとは?一瞬で理解できる基本ルール
ラグビーは、その独特なルールと激しいプレイスタイルで知られるスポーツです。もともとはイギリスで生まれ、その後世界中に広まりました。今では、特にニュージーランド、オーストラリア、イングランド、フランス、南アフリカなどで人気があります。
基本的なルールはシンプルです。フィールド上の15人のプレイヤーが、楕円級のボールを手に持ち、相手のゴールラインを目指します。
ココに注意
ボールは前方に投げることはできず、後方または横方向にパスするか、蹴ることで前進します。
ボールを持ったプレイヤーは、相手チームにタックルされるまで走ることができます。
また、点数を獲得する方法は主に4つあります。一つ目は「トライ」で、これはボールを持って相手のゴールラインを越え、ボールを地面に押し付けることで獲得できます。
これが最も高得点で、5点を獲得することができます。二つ目は「コンバージョン」で、トライの後に行われるキックで、これが成功するとさらに2点が加算されます。
三つ目は「ペナルティーゴール」で、相手チームが反則を犯した時に蹴るキックで、これが成功すると3点を獲得します。
最後に、「ドロップゴール」はプレイ中に任意のタイミングで蹴ることができるキックで、これが成功すると3点が得られます。
得点方法 | 点数 |
①トライ | 5点 |
②トライ後のコンバージョン | 2点 |
③ペナルティーキック | 3点 |
④ドロップゴール | 3点 |
これらの基本ルールを理解することで、試合の流れを把握しやすくなります。しかし、ラグビーの醍醐味はそこだけではありません。
ココがポイント
ラグビーの魅力は、そのルールの中でどのように戦略を立て、相手を上回るかにあります。そして、その戦略の一部が「スクラム」です。
ラグビー スクラムが起きるシチュエーション
スクラムとは、ラグビーの特徴的なプレーの一つで、8人の大男たちが押し合うプレーです。
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これは、ボールが密集から出てこないとき、または一部の反則があったときに始まります。
スクラムの定義として、ルールブックには下記のように記されています。
ココがポイント
スクラムの目的は 、軽度の反則あるいは競技の停止があった後 、早く 、安全に 、公平に試合を再開することである 。
まず、
と疑問に感じると思いますが、反則というよりかは、ラグビーのルール通りに自分たちの攻撃が出来なかったと理解したほうが良いでしょう。
相手のプレーの邪魔をするわけではなく、ノックオン(ボールを落とす)やスローフォワード(ボールを前に投げる)のミスをしてしまった際に、一度レフェリーが試合を止めます。
そして試合再開のリスタートではスクラムを組みます。
ノックオン
ラグビーでは味方からのパスをキャッチできずにボールを前に落としてしまうことがあります。これはノックオンという反則になりレフェリーが一度試合を止めます。
さらに詳しく
後ろに落としてしまうプレーはノックオンではありません。
スローフォワード
ラグビーでは、ボールを前にパスすることはできません。真横か後ろにパスを出さなければスローフォワードの反則を取られてしまいます。
スローフォワードは、タイミングも非常にきわどいプレーが多いので、
また、レフェリーも判断が難しいでしょう。
豆知識
なんと、トップレフェリーはボールが前に行く軌道ではなく、パスを出す選手の手の動きを見て判断しています。
モールやラックでボールが出てこない時もスクラム!
また、競技の停止があった場合というのは、モールやラックなどで複数の人間が絡みあったためにボールが出てこなかった場合などを指します。
この場合もレフェリーが試合続行不可能と判断した場合、1度試合を止めスクラムで試合再開します。
↓モールは下記画像のような絡みです。ラインアウトの時によく見る形ですね。
http://will-be-rugby.blogspot.jp/2015/01/blog-post.html
↓ラックは下記画像のようにタックルされて地面についたボールを奪い合う状況です。
https://rugbymania-noside.com/about_ruck/
大きな男たちが、密集で絡み合うため押しつぶされたボールが出てこない事があるんです。”ボールが出てこない”とレフェリー判断した場合に、笛を吹き試合を止めスクラムを組みます。
スクラムを組む人は誰でもOK!
まずスクラムを組むプレイヤーは全部で8人います。基本的にフォワード(FW)の選手1番から8番で組みますが、「絶対に1番から8番で組まないとダメ!」というルールにはなっていません。
あの日本代表のトライゲッター ウイングの 松島幸太郎選手がスクラム組んでも反則ではないのです。
スタンドオフの10番が組んでもフルバックの15番が組んでも反則にはなりません。ただ基本的にスクラムを組むのは体が大きくパワフルなフォワード8人の仕事です。
1番から8番のポジションと役割を簡単に説明致します。
1番、3番:プロップ(フロントロウ)
スクラムの柱となる存在で一番前でスクラムを組む両端の2人です。ラグビー界の中でも数少ないポジションなので貴重な存在でもあります。
もし、ラグビーで就職したいのであれば、このプロップのポジションはおすすめです。
2番:フッカー
スクラム先頭の真ん中に立ち、スクラムの舵を取る選手です。リーダーが多いポジションでもあり。日本代表の堀江選手もフッカーです。
4番、5番:ロック(セカンドロー)
チームの中で身長が高いランキング1位、2位の2人がこのロックのポジションです。
ラインアウトなどのボールキャッチが、キープレーと思われがちですが、実はスクラムにおいてもロックの押しが超重要なのです。
ロックはプロップの1番、3番のお尻をプッシュしますが、ロックの強さ次第でスクラムの勝敗も決まってきます。
6番、7番:フランカー(バックロー)
フォワードの中でも、仕事人と呼ばれるポジションです。チームで一番タックルに行き、味方がタックルされれば一番最初に助けに来てくれのがこのフランカーです。
テンポよくボールが回るチームは、フランカーに素晴らしい選手がいる証です。
8番;ナンバー8
チーム1のボールキャリア(ボールを持って前に出る選手)としてチームを牽引します。スクラム最後尾に位置し、チームで1番強い男がこのナンバー8です。
2章:「ラグビー観戦の楽しみ倍増!スクラムの理解で試合がもっと面白く」
「スクラム」はラグビーのユニークな魅力の一つです。しかし、スクラムのルールやその意義を理解していないと、その魅力を十分に味わうことはできません。
この章では、スクラムの掛け声とコールの意味から、スクラムのルールまで詳しく解説し、ラグビー観戦の楽しみを一層深めるための手助けをします。
次回の試合観戦が、よりエキサイティングで、より理解深いものになることを願っています。
ラグビーのスクラム時の掛け声とコール
ラグビーのスクラムでは、「コール」または掛け声がとても重要な要素となります。この掛け声は、スクラムが正しく、また安全に進行するための合図であり、レフリーとプレイヤー間のコミュニケーションツールとなっています。
スクラムの掛け声は、「Crouch(クラウチ)」「Bind(バインド)」「Set(セット)」の3つのコマンドで構成されています。
まず、「Crouch(クラウチ)」は「しゃがむ」という意味で、このコマンドが出されたときにプレイヤーはしゃがみます。
次に、「Bind(バインド)」は「結びつく」という意味で、プレイヤーはこのコマンドが出されたときに相手チームのプレイヤーと肩を組みます。
最後に、「Set(セット)」は「準備OK」という意味で、このコマンドが出されたときにスクラムが始まります。
このように、スクラムの掛け声はラグビーの試合において、プレイの安全性と公正さを保つための重要な役割を果たしています。
「スクラムのルールを押さえて:試合をもっと楽しむために」
ラグビーのスクラム形成においては、特定のルールが守られなければなりません。それらのルールを違反した場合、反則となります。ここでは、スクラム形成時に発生する主な反則についてご説明します。
反則 | 内容 |
早く組む | レフリーの「セット」のコール前にスクラムを組む行為は早組みとされ、反則となります。 |
遅れて組む | 一方、選手がスクラムに遅れて参加する、もしくはスクラムが開始されてから参加する行為も反則とされます。 |
正しくバインドしない | フロントロウ(フッカーとプロップ)の選手は、互いに適切にバインド(つながる)しなければなりません。選手が相手チームの選手のシャツを掴んだり、肩以上や腰以下でバインドしたりすると、これは反則とされます。 |
フェイキング | スクラムハーフがボールを投入するフェイント(偽装行為)は反則です。スクラムハーフはボールを正確に真ん中に投入しなければなりません。 |
スクラムの崩壊または回転 | スクラムが90度以上回転した場合や、選手が地面に倒れた場合など、スクラムが安全に維持されない状況も反則とされます。 |
エンクロージング | フッカーがボールを受け取る前に、フロントロウの選手が前進する行為はエンクロージングとされ、反則です。 |
これらの反則は、ゲームの公平性を保つとともに、選手の安全を確保するために重要です。反則はペナルティーやフリーキック、場合によっては一時的または永久的な退場という形で罰せられます。
したがって、選手たちはスクラムのルールを正しく理解し、適切に守ることが求められます。
3章:「ラグビーの魅力を深掘り:スクラムがゲームに与える影響」
グビーの魅力の一つは、それが単なる力の見せ場でなく、戦略と技術の混合体であるところにあります。その象徴的な例が、ラグビーのスクラムです。
スクラムは、力と技術、そして何よりもチームワークが試される場面であり、その結果は試合の勝敗を大きく左右します。
この章では、スクラムがゲームにどのような影響を与えるのか、スクラムの成功・失敗が試合結果にどのように影響を及ぼすのか、そしてラグビーのスクラムが如何にチームワークの重要性を示しているのかについて掘り下げていきます。
「スクラムの成功・失敗が試合結果に与える影響」
スクラムの結果はラグビーの試合結果に大きな影響を与えます。スクラムが成功すると、チームはフィールド上での優位性を獲得し、ポジショニングやスコアリングのチャンスを増やすことができます。
ココがポイント
逆に、スクラムが失敗すると、ペナルティーやフリーキックの機会を相手に与え、試合の流れが一変する可能性があります。
まず、スクラムが成功すれば、チームはボールを獲得し、攻撃のチャンスを得ることができます。スクラムから直接トライを狙うことも可能で、特に敵陣深くでスクラムが組まれた場合、これは大きな得点機会となります。
次に、スクラムで優位に立てば、相手チームに心理的なプレッシャーを与えることができます。
スクラムはフィジカルな強さだけでなく、技術やチームワーク、戦略が問われるプレーです。
スクラムで圧倒すると、自分たちがやりたいサインプレーが何でもできるようになります。
しかし、スクラムが失敗すると、その逆の影響が出ます。
スクラムで優位に立てないと、自分たちのプレーのリズムを乱され、自由な攻撃ができなくなる可能性があります。スクラムがうまく機能しないと、ボールを獲得するたびにプレッシャーがかかり、パスやキックのミスにつながりやすくなります。
以上のように、スクラムの成功・失敗は試合の流れや結果に大きな影響を与えます
ラグビーのスクラムで見るチームワークの重要性
ラグビーのスクラムは、究極のチームワークを体現しています。
8人のフロントロー(フック、プロップ)、セカンドロー(ロック)、バックロー(フランカー、エイトマン)が一丸となって敵と対峙し、ボールを獲得するために一体となります。このスクラムの中での連携が、試合結果に大きな影響を与えます。
スクラムの成功は、単に力強さだけではなく、各選手の役割の理解、正確なポジショニング、タイミング、そして何よりチーム全体での協調性によって左右されます。
さらに詳しく
フロントローが正しい位置に身体を置き、力を適切に伝えること。セカンドローがフロントローの力を後方に伝え、バランスを保つこと。
バックローが後方からの推進力を提供し、必要なときにボールをプレーすること。これら全てがスクラムの成功へと結びつきます。
スクラムでは、選手たちは相手チームと直接ぶつかり合い、一体となってボールを奪い合います。この激しい競争の中で、選手たちはお互いを信頼し、助け合うことが求められます。
ボールが自陣に近づくほど、プレッシャーは増し、そのプレッシャーの中で一糸乱れぬチームワークを維持することが、スクラムの成功のカギとなります。
スクラムの時間は、選手たちが次のプレーに向けて頭を整理し、戦略を立てる貴重な時間でもあります。
スクラムから生まれる多くのプレーのパターンは、事前に計画され、練習されたもので、これもまたチームワークの結晶と言えるでしょう。
ラグビーのスクラムで見るチームワークの重要性は、ラグビーが単なるスポーツ以上のものであることを示しています。
そして、スクラムのおもしろいところは、ボールを奪い返す事もできる点です。ミスして反則を犯してもまだまだ攻撃を継続するチャンスはあるのです。
スクラムはフォワードの強さを測る指標でもあるため、スクラムが押される=フォワード負けてると言っても過言ではありません。 スクラムで前に出ることができれば、スクラムトライなんかも出来てしまうのです。 ↓日本代表のスクラムトライ
まとめ
スクラムはラグビーの試合を組み立てるうえで重要なルールの1つであることが理解できたかたと思います。
8人の選手が力を結集し、ボールを奪い合うプレーで、チームワークの象徴です。スクラムは個々の力以上に、チーム全体の力と戦術が重要で、選手同士の深い理解と連携が求められます。
スクラムがうまく機能すると試合の流れを大きく左右します。このように、スクラムはラグビーの魅力を凝縮した、まさにチームワークの結晶と言えます。
スクラムを組む理由がわかれば、レフェリーが笛を吹き試合を止めスクラムになった時も「えっ?何?何」と言ってしまう事もなくなるでしょう。
これからは、ヤジっぽい声援に変わるかもしれません。